【更新】どの国がたくさん二酸化炭素を出しているかがひとめで分かる図
2009/09/10 04:35
人間の文化的活動の活性化で地球上の二酸化炭素などの各種ガスが増加し、これが地球を温暖化に導いているとする説がある。つまり現在進行しているとされる、地球温暖化の原因は温室効果ガスであり、その代表が二酸化炭素だというのだ。科学的証明の正確さは別として、かつての時代より増加を続けている二酸化炭素をどうにかして減らそう、増加をとどめようという動きが世界各国で進められている。それでは具体的に、どのような国がどれくらいの二酸化炭素を排出しているのだろうか。環境庁から地球温暖化対策に関する啓蒙などを行う団体として指定を受けたJCCCA:全国地球温暖化防止活動推進センター (Japan Center for Climate Change Action)の【公式サイト】に、それが大変よく分かる図が掲載されていた。今回はそれらの中から二つほど紹介していくことにする。
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世界の二酸化炭素排出量(国別排出割合)
まずは世界の二酸化炭素排出量。【元ページはこちら】。ちなみにこれは2006年における値で、二酸化炭素に換算したもの(全部で273億トン/年)。現在はそれより人口は増加し、石油高騰で潤った産油国の自動車化促進で、もう少し増えているものと思われる(ただしその後の景気後退で経済活動がやや軟調化したことを考えると、意外にトントンかもしれない)。
国ベースの量で見ると、アメリカが世界全体の1/5、中国もほぼ同数の1/5を占め、この2国だけで実に40%以上を排出していることになる。日本はロシア、インドに続いて5番目。アメリカや中国の1/4-1/5程度でしかない。日本の後にはドイツ、イギリス、カナダなどが続く。
二酸化炭素削減の問題の討論、解決は基本的に国ベースで行われるから、国毎の排出量がもっとも重要な課題となる。それでも「人口が多ければ二酸化炭素排出量が多くて当然じゃん!」と文句を語る人がいるかもしれない。そこで用意されたのがもう一つの図。「国毎の二酸化炭素排出量と、各国の一人当たりの排出量の比較」がこちら。
世界の二酸化炭素排出量に占める主要国の排出割合と各国の一人当たりの排出量の比較
こちらも2006年時点のデータで【元ページはこちら】。一人あたりではやはりアメリカがトップ、続いてロシア、ドイツ、日本の順となる。日本は9.7トン/人だから、1人あたり1年で9.7トンの二酸化炭素を排出している計算になる。アメリカは19.3トン/人で、日本の約2倍。
ただし、同じくJCCCAの公式サイトの【ニュース記事】などにもあるように、すでに中国は2007年までにアメリカを抜き、世界最大の二酸化炭素排出量を持つ国になったという報道がある(【類似報道は複数で確認】)。2009年5月28日に国立環境研究所などが発表した温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」のデータ分析結果([発表ページ])を見ても、中国が少なくとも国ベースでは世界最大の排出量を持ち、さらに一人あたりの排出量も急激に増加していることは間違いない(それだけ工業化が進んでいる証でもあるのだが)。
JCCCAの公式サイトには他にも多数の図表が【すぐ使える図表集】として一般公開されている。中にはデータが古めなものもあり、また地球温暖化に関する研究は日々進歩しており、中には現状の説と違うものが存在する可能性もあるが、「ビジュアル的に概要を把握する」という点ではこれに勝る資料は無い。興味のある人は隅々まで見通してほしい。
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