【更新】色々想像できそうな自動車の広告たち
2009/09/08 04:25
先に【誰もが自動車保険の加入を考えさせられる広告】で、自動車のブレーキ痕を用いて自動車保険の加入を促す広告を紹介した。自動車を直接、あるいは間接的に表現して見た人にイメージさせ、セールスアップを図る広告は他にも山ほどあるが、今回はその中から特に奇抜で「これは面白い」と思われたもの2つを紹介することにしよう。
スポンサードリンク
「ちょっと無茶そうに見える場所でも平気で駐車できますよ」なJeepの広告。
まずは先のブレーキ痕広告と同じ、「間接的に」自動車を表現し、見る人に想像させる広告。[元記事はこちら]。2007年にデンマークで展開されたものだが、クライスラー社の四輪駆動車「Jeep」(俗に「ジープ」と総称される四輪駆動車たちの元でもある)を宣伝するもの。花壇や階段など、通常の自動車では「止められないだろ!」と突っ込みが入りそうな場所を駐車エリアに指定するラインを引くことで、まず「こんな変な場所に駐車指定があるなんて」と気付かせ、「Jeepとあるけど、こんな風に駐車できるほど丈夫で、急こう配にも対応できるんだ」と感心させると共にJeepそのものを想像させる。
容易に実物が連想できるペイントをするだけで、Jeepの特徴をイメージさせることもできる、奇抜で賢い広告といえる。
こちらは、先の記事同様に自動車保険「Nationwide」の広告。ややダイレクトな感はあるが、瞬間のびっくり度はこちらの方が上かも。
まるでスタント映画の1シーンのような……
。元絵は少々分かりにくいので、肝心な部分を拡大してみた。
スタジアムや商業施設によくある、長い階段の上層部に「空とジャンプしてこちらに向かってくる自動車」を描き、今にも自動車が階段をジャンプしそうな情景を表現している。本当にその自動車が階段を突き進んでくるのなら、その次の瞬間に起きるのは地面への激しい衝突でしかない。
そして階段の下層部には「Life comes at you fast.」。この言い回し、Nationwide社が好んで使うもので、意味は「人生の重大な問題というものは、突然あなたに降りかかってくるものですよ」。言い変えれば「事故はいつ何どき起きるかわからない」。描かれている自動車の運転手にしてみれば、わざわざ好き好んで長階段にダイブするつもりもなかっただろうから、まさに「降ってわいた災難」に遭遇していることになる。
今回紹介した広告は、前者が「あれ?→んん……?→なるほど」後者が「おおっ!→ふむふむ→なるほど」というプロセスを見る者に与える形で、性質的には正反対のものといえる。驚きの度合い、深さなどに違いはあるが、最後に「なるほど」と思わせる点では変わりは無い。
日本で同じようなことを行うと、前者の場合は「本当に真似したら危ないでしょう」後者は「子供がびっくりしたらどうするのよ」という野暮なクレームがついてマスコミがあおりたて、叩き潰される可能性が否定できないため、展開は難しいかもしれない。工夫の面白さ、素直で「なるほど」と思わせる驚きがそこかしこにある環境は、素晴らしいことであるだけに、少々残念でならない。
スポンサードリンク