インターネットの普及は家族関係にプラス? マイナス!?
2009/09/06 09:22
マイボイスコムは2009年8月21日、インターネットと家族のコミュニケーションに関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、携帯電話やパソコン(=インターネット)の普及が家族関係にもたらした影響について、プラスの方が大きいと考えている人が6割近くに達していることが分かった。マイナスの方が大きいと考えている人は約3%に過ぎず、家族間コミュニケーションにおいてネットの普及はポジティブに働いているようにも見える(【発表リリース】)。
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今調査は2009年8月1日から5日までの間にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1万3791人。男女比は46対54で、年齢階層比は30代34%・40代30%・50歳以上20%。
インターネットの普及により、手紙や封書と比べて大変気軽に意思疎通が出来るようになり、家族間でもメールのやり取りで連絡をする場面が増えるようになった。特に【高齢者もケータイでネット世界にダイブする】でも解説しているが、携帯電話でインターネット・電子メールが使えるようになると、さらに利用のためのハードルは低くなり、言葉通り「老若男女」を問わず、家族間においても携帯電話での通話経由、そしてメール経由でのやり取りが盛んとなっている。無論その反面、対面での家族間コミュニケーションが減り、心配をする向きもある。
そこで携帯電話やパソコンの普及が、回答者自身と家族との関係において、総合的にプラスに働いたのか、それともマイナスに働いたのかどちらかなのかを選択肢の中から一つだけ選んでもらったところ、「プラス派」が過半数を超える結果が出た。
携帯電話やパソコンの普及は、あなたと家族との関係においてプラス、マイナスのどちらの効果が大きいですか?
「中間派」が4割近くに達していることと合わせ、少なくとも調査母体では雰囲気的には、「中庸肯定」が全体的な意見として集約されると考えてよいだろう。
注意すべきなのは今結果はあくまでもインターネット経由で行われたこと。【インターネット普及率の推移】にもあるようにインターネットの普及率はすでに7-8割に達し、「インターネット経由の調査が特異なデータとなる」状況下には無い。しかしインターネットの調査は一般的に「自ら答えたい人」が進んで回答するものであり、ややネットのコミュニケーションに対する思惑もポジティブに働いている可能性が高い。もちろんネットを使っていない人にとっては、ネット経由での家族とのコミュニケーションが出来ないことを考えると、プラスに考えている人が多いとは考えにくい。
以上の状況を考えると、「世間全体の意見」としては、もう少しマイナス派が増え、プラス派が減るものと思われる。
同調査別項目の、インターネットやメールの普及で家族関係に変化があったか否かに関する問いでは、「連絡のハードルが低くなり意思疎通の頻度が増した」「距離を気にせず対話ができるようになった」などの肯定的意見がある一方、「直接顔を合わせて会話する回数・時間が減った」など、リアル(現実)でのコミュニケーション不足が加速したというマイナス意見も見受けられる。
どんな道具にでもプラス面もあればマイナス面もある。パソコンや携帯電話を使った(主に)インターネットでのコミュニケーションも例外では無く、良い面も悪い面もある。使い手側としては道具に振り回されることなく、良い面をさらに活かし、悪い面を逐次克服して、本当の意味で道具を「使いこなして」いきたいものだ。
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