ツイッターと「友達100人」の関係
2009/08/29 10:28
直前の記事で複数の調査会社による「ミニブログ」サービス【ツイッター(Twitter)】のレポートを参照したが、そのうちSNS関連の調査会社Sysomos社が6月1日に【発表した統計データ】にいくつか興味深いデータがあった。今後資料として使えるかもしれないし、せっかくだからグラフ化してみることにした。
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なおこれらのデータは一応ツイッター上の1150万のアカウントを対象に、2009年5月中に集計したもの。ただし具体的な取得方法や取得されたデータの年齢階層比などは公開されていない(というよりアカウントの大部分でプロフィールも公開されていないので集計は難しいのだろう)。
まずは「フォロワー」と「フォローしている」人数の分布について。「フォローしている」とは、他人の発言を逐次チェックするよう、自分のアカウントに登録すること。いわば「RSSリーダーにブログやサイトを登録する」行為に等しい。「フォローしている人数」とは、更新チェックをしているブログの数、というわけだ。
そして「フォロワー」とは、自分の「つぶやき」(ツイッター上の発言)を追いかけている人。言い換えれば「フォローしている人」。たとえるならば「自分のブログのRSSを登録し、更新記録をチェックしている読者(購読者)」ということになる。
フォローワーの数(Sysomos社調べ、2009年5月)
フォローしている人の数(Sysomos社調べ、2009年5月)
やや「フォローしている人の数」、つまり購読者数の分布の方が大きめに触れているように見えるが、大体においてフォロワー数・フォローしている数共に100人以内に留まっていることが分かる。「友達100人できるかな」ではないが、普通の人は自分がチェックする人・自分のことをチェックをされる人共に100人ぐらいが限界、ということか。
そして1日あたりの平均「つぶやき」数。意外にも「ゼロ」が8割強を占めていた。
1日あたりの平均「つぶやき」回数(Sysomos社調べ、2009年5月)
【「1%の人が35%分もの利用」「安全じゃないから使わない」ツイッターの現状】などで多少触れているが、「ツイッター」にはブログ同様に、少数から不特定多数への「告知」「頒布」「口コミ」的な利用方法もある。実際に各法人やグループ、有名人などがいわゆるスピーカー代わりにツイッターを使う例が多数みられる(有名人に特殊アカウントを配布して宣伝活動をしてもらう、SNSやブログと使われ方は同じだ)。また、自分ではそれを望んでいなくとも、結果的に多くの人がフォローをし、自らがスピーカーに近い立ち位置となる人も多い。
これらのスピーカー(マーケティング用語なら「スニーザー」)のような人たちの「つぶやき」に目を通すだけで満足、という人も多いのだろう。そういう人は自ら「つぶやき」をする必要は無く、だからこそ回数がゼロになる。そう考えれば納得もいく。
今件レポートでは他にも「フォロワーが多いほどフォローする人も多くなる(フォロワーの登録し合い?)」「フォロワーの多い人ほど『つぶやき』が多い(観客に対するサービス心か、それとも逆で『つぶやき』が多いからフォロワーが多くなるのか)」など、興味深い傾向が報告されている。いくつかの単語を理解できれば、あとはグラフそのものを見るだけである程度理解はできるので、興味がある人は元データを参照してみるとよいだろう。
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