【更新】夏真っ盛りに皆が喜んで、渡した企業もうれしい「プレゼント」とは?
2009/08/25 04:25
今年はまだマシな方だが、温暖化の進行なのか夏の暑さは年々キツくなる気がしてならない。空調の利いた部屋で過ごせるのならともかく、外気に触れるような状況(いわゆる「外に出る」)と灼熱地獄の真っただ中にいる気分になる。そのような状況下で皆が「欲しい」「足りない」と思っているものを無料で配り、配った企業も大喜びするという計画がイギリス・ロンドンで行われようとしているとの話が【INVENTORSPOT】で紹介されていた。その計画の名は[Soak Media]。直訳すると「浸透メディア」というところだろうか。
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Soak Media。
説明にいわく、
試算としては、330ミリリットル入りのミネラルウォータボトルを用意し、コストは大体1ポンド(160円)。50分ほどの間、各人の手元に残るはず。また、フタの部分も色々な形に変えられるようにし、この部分も広告として活用する。この広告手法はロンドンが真夏の期間、7-8月に限られる。この二か月間は他の月と比べて飲料水が2割増しで売れる傾向があるからだ。夏にマッチする商品やイベントにぴったりの広告媒体になるに違いない」
とのことである。動画を見る限り、イメージ映像ではなくすでに一度は実際に広告展開をしているようだが、その成果については(公式サイトそのものが動画だけなので)不明。
コンセプトとしては「ニーズが高い水を無料で提供して、受け取った本人はもちろん、受け取った人が水を飲み終える50分の間、手に持っていたり飲んでいる際に、周囲の人の目にも留めてもらう」「受け取ってから飲み終えてゴミ箱に捨てられるまでの間に、各人が移動できる距離はそれほど長くないので、地域を絞ったエリアターゲット広告としての効果を期待する」というところだろう。
「配ることで勝手に宣伝してくれる」というやり方は、イベント会場で大きな自社ロゴ入りのバッグを配る手法に似ている(大きなバッグはもらった人にとって荷物を入れる便利な道具となるし、そのバッグを抱えて周囲を歩きまわる行為は周辺にいる人に大きな告知効果をもたらす。イベントで大型のバッグが複数社から提供されるのは、実はそれが狙い)。その観点で見れば、今件の「ペットボトルの水を無料配布して、そのボトルを広告媒体にする」という考えは決して悪くないし、面白くもある。
一方で元記事でも指摘されているのだが、「告知効果がどれほどあるのか」「環境問題が叫ばれる昨今において、ゴミ問題を呼び起こすのではないか」などの問題点がある。さらにペットボトルの水そのものならともかく、それとあまり関係のない広告がラベリングされていた場合、飲んでいる本人はともかく「周囲の人がそれに気がつくかどうか」という問題も考えられる。実際、通勤や通学、その他外にいるときに他人が飲んでいるペットボトルのラベルに目を向けて、どんなものだったのかをチェックした経験のある人はあまりいないだろう。
同じ夏で似たような「仕組み」を使って広告媒体を生みだすのなら、日本ですでに多くの企業が採用している手法、すなわち「うちわ」を配る方がはるかに効果的かもしれない。海外では「うちわ」をアクセサリー・飾り的に使うようなので、この際本来の使い方「仰いで涼を楽しむ」を兼ねて展開してみるのもありではないだろうか。
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