「四苦八苦」の「苦」って何だろう
2009/08/09 09:20
直前の記事で「悪夢」について触れたわけだが、その内容の補足情報を調べる過程で「悪夢に四苦八苦する云々」という表現が目に留った。夢そのものが本人にコントロールしにくいものである以上、四苦八苦するのは仕方のない話。その際に思い浮かんだのが、色々と苦労するありさまを表す言葉「四苦八苦」の「苦」って何だろうという疑問。色々調べてそれなりの回答を見つけ出すことができたので、覚え書的に記しておくことにする。
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「四苦八苦」とは元々仏教用語で、人間が背負うことになる「苦しみのあり様」を示しているという。具体的には「四苦」が
・老(ろう)…老いていくことの苦しみ。
・病(びょう)…さまざまな病気にかかり、その病症に苦しむありさま。
・死(し)…死ぬことそのもの、死に行く過程の苦しみ。
を表し、「八苦」はこの「四苦」に加えて、
・愛別離苦(あいべつりく)…自分が愛する人と別れてしまう苦しみ。
・求不得苦(ぐふとくく)…欲しい物が求めても得ることができない苦しみ。
・五陰盛苦(ごおんじょうく)…五感煩悩(ごかんぼんのう※)に執着してしまう苦しみ。
※五感は「眼・耳・鼻・舌・身」から得られる感覚「視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚」を意味する。
の四苦が加わったものとのこと。要は「四苦八苦」とは元々、人間が生きていく上で逃れられない苦しみを指し、それが転じて非常に苦労するあり様を意味するようになったわけだ。
「あれを片づけるのに四苦八苦しちゃってさぁ…」と口にした時、本当に「その苦労は『四苦八苦』に該当するほどのものだったのか?」と思い返してみるのも良いかもしれない。
ちなみに余談だが、「四苦八苦」は「しくはっく」と読むことから「四九八九」と書き、「4×9+8×9」と書き換え、その回答が108であることから、人間の煩悩を指し示すという解釈もあるという。こじつけかもしれないが、面白い話ではある。
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