中2生、どんな英語の授業を受けたいか!? 「来年役立つ授業」が4割
2009/08/02 08:14


スポンサードリンク
今調査は市区町村の人口規模および人口密度を考慮した有意抽出方法によって選ばれた全国の中学2年生を対象に、2009年1月から2月にかけて、学校通しの質問紙による自記式調査によって行われたもので、有効回答数は2967人。男女比は53.1対46.6(他に無回答・不明が0.2)。
先に【「英語嫌い」ポイントやっぱり「グラマー」か、5人に4人は「文法ムズイよ」】でも挙げたように、中学2年生においては7割強の人が「英語は嫌い」と答えている。それでは嫌いな人が多数を占める英語において、どのような授業ならば受けたいだろうか。5つの選択肢と「その他(+不明・無回答)」から選んでもらったところ、もっとも多いのは「試験に役立つ授業」で4割近くを占めていた。

あなたは、どんな英語の授業を受けたいですか
英語が嫌い、苦手な人が過半数を超える状況であるが、同時に高校入試には英語科目は必要不可欠。弱点を克服するためにも、さらには周囲の多数も苦手なら、自分が得意になればすぐれたアドバンテージになりうるという観点においても、中学2年生が「入試に役立つ英語の授業」を求めても、何の不思議もない。
第二位には「英語が好きになる授業」。好きになれば得意になるのは容易な話で、まずは好き嫌いを克服したい、という思いが強いのだろう。
第三位以降の項目は、英語教育の根幹的な目的であり(対話能力の充実・人生における英語教育への架け橋、他文化・言語への造詣の強化)、それらの項目に対する同意が少ないのは、残念な話かもしれない。しかし繰り返しになるが、「受験」という人生における大きなハードルを目の前にひかえている中学2年生にとって、まずはそのハードルを越えることが先であり、理想論・保護者の希望に耳を傾ける余裕などない、というのが本音といえる。
やや余談になるが、第二位の項目「英語が好きになる授業」を選択した人について、英語に対する認識別に回答率を確認したところ、全体の31.3%に対して「英語が苦手で、しかも嫌い」という認識を持つ人による回答率は40.1%に達し、全体平均をはるかに上回る値となっている。

英語に対する認識別「英語が好きになる授業」を受けたいと答えた生徒の割合
実は「英語が苦手で、しかも嫌い」の認識を持つ人においては「入試に役立つ授業」は37.9%でしかなく、「英語が好きになる授業」への意見の方が高い結果が出ている。
「英語が苦手で、しかも嫌い」生徒たちも、かたくなに英語を嫌いで通しているのではなく、できれば英語が得意に・好きになりたいと願い、だからこそ「好きになるような授業を受けたい」と考えているに違いない。その想いに応えられるか否かは、ひとえに英語教師の双肩にかかっているといえよう。
スポンサードリンク
