消してしまうかのように開けられる自動車ドア「Disappearing Car Door」
2009/07/25 09:30
駐車場、特に人気のある観光スポットや都心部の賃貸駐車場では駐車スペースが狭く、自動車の扉の開け閉めに難儀することが多い。「扉が横に開くから場所を取るんだ」ということは分かっていても、一部のスーパーカーのように上開きをする自動車に乗れる人はごくわずか。こんな「身近な自動車の悩み事」を解決してくれそうなコンセプトが【Toxel.com】で紹介されていた。原題は「消える自動車の扉(Disappearing Car Door Concept)」。説明を見れば誰もが「なるほど」と思う発想である(【大元の資料サイト】)。
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Disappearing Car Doorの解説動画。
自動車の扉は一般的に蝶つがいを使った、玄関などの扉と同じような開閉システムを用いている。しかしこの「Disappearing Car Door」では、扉をシャッターのように車体下部に収納する形で織り込んでしまう。
「Disappearing Car Door」の構造
全面的に扉を内包してしまうことで、「広いエリアが解放されるため、乗り降りが楽になる(蝶つがい式だとどうしても扉の部分が邪魔になる)」「横開きしないため、駐車した際に隣の自動車との間で大きなスペースを必要とせずに乗り降りが可能になる」などのメリットがある。生産コストも現在一部のバンで搭載されている横開きのドアとさほど変わらないとのこと。
狭い駐車スペースでも扉の開閉を気にせずに、楽に乗り降り。
メリットばかりが目に留まる斬新なアイディアに見えるが、元記事や動画のコメントを見ると「電動式なので何か電気周りのトラブルが起きた時に出られなくなるのでは」「扉が汚れていると、収納時に内部も汚れちゃうよね」さらには「何年も前にBMWのZ1で採用されているよ」という意見があった。
BMWの「BMW Z1」プロモーション動画。確かに同じコンセプトのドアが採用されている。
本当に画期的で有用なコンセプトなら、現在の自動車の少なからずでこれが採用されているはずであるが、その様相はまったく見られない。ということはやはり、指摘のあったマイナス点をクリアする方法がまだ見つかっていないのだろう(電気系統がトラブった際に脱出できなくなるという点については、BMW Z1ですでに「手動での開閉可能」という解決策が見出されているようだが)。
ただし考え方としては悪くないのも事実。もう指摘されている問題点を解決できる「もうひとひねり」があれば、長所を活かして多くの自動車で採用されるようになるかもしれない。
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