「自分の預貯金口座持ってる?」小学生でも4割が「あるヨ」(2016年)(最新)
2016/07/08 10:19
5年おきに金融広報中央委員会「知るぽると」が調査発表している、小学生から高校生を対象にした金銭関連の調査「子どものくらしとお金に関する調査」の最新版データによれば、小中学生の4割前後が自分の預貯金口座を持っていると自覚していることが分かった。高校生では5割を超えている。また2割から3割が「親がやっているのでよくわからないが口座はあるようだ」との認識を示している(【知るぽると:子どものくらしとお金に関する調査】)。
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今調査の調査要項は先行記事【中学生・高校生のおこづかい額(2016年)(最新)】を参考のこと。
保護者からもらうおこづかいは普段必要な出費で使い果たすのがオチだが、お年玉などで多額の現金を手に入れた時、手元や財布、自分の貯金箱などに収めておくのが不安になり(紛失の危険性の他、つい浪費してしまうかもしれないリスク)、あるいは保護者から注意されて「貯金しておく」との言葉に従い、預かってもらう経験を持つ人は多いはず。本当に自分名義の口座に貯金してもらっているのか、それとも親のふところに戻るのかはケースバイケースだが、「お金を貯める」「自分の預貯金口座で貯蓄を管理する」との経済上の概念を知り体験するには、子供の時分から預貯金口座を持つことが好まれる。
次のグラフはそれぞれの子供たちに「自分の預貯金口座があるか否か」について尋ねた結果。小学1-2年生は残念ながら質問自体がおこなわれていないので、小学3-4年生の区分から順に並べている。
↑ 銀行や郵便局などに自分の貯蓄(預金や貯金)がありますか
別記事で解説しているが、高校生のアルバイト経験率は大体1/4(【中学生のアルバイト感など】)。自分自身のお金に対する関心も高まるせいか、高校生になると5割以上が「持っている」と答えている。保護者が本当に自分名義の口座を作っているか否かは別として「親がやっているからよくわからない」との回答も3割近く。また、「ある」と「(よくわからないけど)親がやっている」を足した「自分の口座があるようだ」の割合は学年区分が上がるにつれて増えており、歳を重ねるにつれて貯蓄に対する関心が高まる、あるいは求められる様子がわかる。
気になるのは過去の調査結果と比較すると、どの学年区分でもほぼ「ある」の回答率が減り、「あるようだが親がやっているので分からない」「無い」が増えていること。いわゆる「親のふところ貯金(返金義務なし)」の割合が増え、さらに口座そのものの開設を保護者が求め無くなりつつあるのかもしれない。金銭感覚を学ぶ、貯蓄の大切さを知るには、経験をさせるのが一番であり、わずかな額でも子供自らが口座に貯蓄をするのは良い話ではあるのだが。
リスクが限りなくゼロに近いものではあるが、預金や貯金も立派な投資の一つ。微々たるものだがしっかりと利息もついてくる。保護者としては家計の事情もあるだろうが、できれば(家計に戻したり保護者のふところに収めたりせず、)子供専用の口座を作り、一緒に「貯金メモ帳」をつけさせてみてほしい。
具体的には預貯金口座の通帳と同じように、年月日と金額の出し入れ、そしてそのお金がどのような性質のものなのか(たとえばお年玉の残り、田舎に遊びにいった時にもらったおこづかいの残りなど)を書かせる。お金の出し入れそのものは保護者が管理し、分別のいく歳になるまで出金は許可しなくとも、自分のお金がたまっていき、利息がついて増えていく行程を子供自身が確認できる。
自分の「貯金メモ帳」を見ているだけでも楽しくなるだけでなく、お金の大切さを学び、もっと色々なことに興味を持つようになるに違いない。
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