時間が無い それでもテレビに音楽に ケータイ使って 多忙な子供ら
2009/07/16 07:10
【ベネッセコーポレーション(9783)】は2009年7月10日、小学生から高校生の放課後の生活時間に関する調査結果の速報版を発表した。それによると、調査母体においては平日子供たちが利用するメディアの中では、「テレビやDVDを見る時間」がもっとも長く、1時間半-2時間に達していることが分かった。また、歳を重ねるにつれてテレビゲームに費やす時間が減る、音楽視聴や携帯電話にかける時間が増えるなど、学年毎の時間の使い方の違いも見えてくる(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2008年11月10日から14日までの間、全国の小学5年生-高校2年生2万5716人に対して郵送法による自記式質問紙で行われたもので、有効回答数は8017人分。男女比は各学校階層共に数ポイントほど女子の方が高い。
【高校生、就寝時間はほぼゼロ時 睡眠時間は6時間半】にもあるように、少なくとも調査母体においては学年を経るにつれて就寝時間が遅く、多忙なスケジュールを何とかこなそうと努力しているようすが見られる。それではそのような「忙しい平日」において、彼ら・彼女はどれだけ(主に娯楽方面の)メディアに触れているのだろうか。学年階層別に、主要なメディアへの接触時間を平均化してグラフ化したのが次の図。
学年別・平日におけるメディアの利用時間(分)
学年別・平日におけるメディアの利用時間(分)(積み重ねグラフ)
個別の項目について傾向を箇条書きにすると次の通り。
・携帯電話の利用時間は元々学年と共に上昇しているが、高校生になると跳ね上がる。
・音楽視聴時間も携帯電話同様に学年と共に上昇する。
・ゲームへの注力時間は学年と共に減少する傾向。
・読書、マンガ本などの購読、新聞を読む時間はどの学年でも変化なし。
・小中高生はほとんど新聞を読まない。
テレビやDVDの視聴時間が他の項目に比べて断トツで長く、これらのメディアが子供たちにとって絶対的な存在であることが改めて確認できる。
また、携帯電話の利用時間が高校で跳ね上がるのは、「自分が」自由に使える携帯電話を保有する機会が増えたこと(【小中学生の携帯保有率は女の子の方が上、「家族と一緒のケータイだよ」は数%程度】)が主要因。音楽視聴時間も意外に長く、しかも学年と共に上昇するが、これは【着うたフル、中高生は50曲も保存中】でも触れているように、携帯電話や携帯デジタル音楽端末(iPodなど)によるところが大きい。
気になるのは下の積み上げグラフの結果を見る限り、学年の上昇と共に(主に娯楽の)メディア利用時間も増えていること。小学5年生と高校2年生とでは、おおよそ2時間ほど高校生が長い。その増加分のほとんどを携帯電話・音楽視聴で占めているところを見ると、高校生が夜更かしをする(せざるを得なくなる)原因の一つに、これらのメディアへの注力もありそうだ。
もっとも携帯電話・デジタル携帯音楽端末双方にしても、移動中に使うことができ、それらの状況下でも利用にカウントされる。「巧みにメディアを使いこなして心の平穏の時間を稼いでいる」と考えることもできよう。
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