動画だけで作られた企業サイト「BooneOakley」
2009/07/09 07:47
直前の記事で世界各地の「腰が抜けそうなほどに驚く路上看板広告」の数々を紹介したが、その元記事【Toxel.com:Clever and Creative Billboard Advertising】に掲載されていた看板広告の一つ、転げ落ちるマフィンの元記事を参照していた際に、少々びっくりさせられる企業サイト(?)を見つけた。この【マフィンの広告】を作っていたのは「BooneOakley」という広告会社なのだが、サイトすべてが動画共有サイトYouTubeの動画だけで構成されているのだ。普通の企業のウェブサイトにYouTubeの動画が埋め込まれているのではなく、動画だけで作られているというのはこれまで見たことが無い。
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BooneOakley社の公式ページこと公式動画
該当する動画は【こちらになる(BooneOakley.com - Home Page)】。英語表記・英語音声なので詳細は分からないだろうが、大体のニュアンスはつかめるはず。社名を元にしたドメインBooneOakley.comへアクセスしても、こちらの動画に自動転送されてしまう。
動画の長さは約3分。会社の成り立ちや構成メンバー・会社組織、そしてこれまでの実績(広告会社だからここが重要)などが動画の流れと共に紹介されている。よく見ると動画の下の部分にタイムラインの場所を指し示す矢印がいくつかあり、そこに再生アイコンを移動させるとその項目部分がスタートする仕組みになっている。つまりタイムラインそのものを企業サイト(動画)のメニューに使うという発想だ。
ニュースなどのページ。さらに細かい項目へのリンクと、ホームページ(つまり「トップに戻る」)がちゃんと用意されている。
また、この動画に収録し切れなかった各種メニュー(クライアント毎のこれまでの実績、最新情報など)は左側にメニューとして用意され、リンクが設定されている。それぞれをクリックすると、対応する動画にジャンプして再生されるという仕組みだ。「コンタクトアス(連絡を取りたい人は)」の動画ページでは、ちゃんとメーラーが開けるリンクが設定されているあたり、気配りを感じさせる。
自社サイトをYouTubeの動画「だけ」にしてしまうのは、ある意味非常にリスクが高い。検索エンジン対策の問題もあるし、何より動画を閲覧できない環境のクライアント予備群にはアピールのしようがないからだ。それでもなお、自社の斬新性を喧伝するにはもってこいという判断のもと、「クリエイティブさ」を優先して、このような構成が成されたのだろう。
……個人的な感想としては、「YouTubeという時代の最先端を行くメディアを活用」しつつも、コンセプト的にはいにしえのマッキントッシュで流行した「ハイパーカード」的なニュアンス・雰囲気も多分にあり、かえって懐かしさを覚えてしまった。まさに「古きを温ねて新しきを知る」ではなく、「新しきを温ねて古きを思い返す」である。
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