ユニクロの2009年6月の売上高、前年同月比+6.4%・8か月連続でプラス
2009/07/04 09:04
衣料品店のユニクロを運営する【ファーストリテイリング(9983)】は2009年7月2日、2009年6月度における売上高推移を発表した。それによると6月における売上高は国内既存店(前期期首から期末まで一年間稼動した店舗)ベースで前年同月比6.4%プラスの106.4%となり、5月に続いて八か月連続しての前年比プラスとなった。ユニクロ側では「積極的な販促活動で客数が増加したことが功を奏した」と説明している(【発表ページ】)。
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主なデータは次の通り。
・客単価……97.2%(-2.8%)/期初累計:101.9%(+1.9%)
・売上高……106.4%(+6.4%)/期初累計:113.0%(+13.0%)
※いずれも既存店、前年同月比
客単価は前年同月比でマイナス、期初累計(期の頭からの積み重ね)でも大した伸びではないものの、客数が大きく躍進。これが売上高の向上に貢献したことが分かる。リリースでの言及「積極的な販促活動」で来場客が増えたのも理解できるというもの。またユニクロではこの不景気の中、今期に入ってからも売上を堅調に伸ばしており、2008年10月こそやや凹んだものの、それ以外は毎月堅調な売れ行きを示している。
ユニクロの既存店における売上推移(前年同月比)
元々低価格帯の衣料品を展開するユニクロなだけに、客単価はさほど変わらない。むしろ客数の増加が全体の売上を引っ張っていること、特に今年に入ってからは、客数が安定して増えており、それが売上の上昇に貢献していることが改めて理解できる。また、これらのデータは「既存店」の「前年同月比」のデータであり、「店舗数を増やすことで企業全体の売り上げをかさ上げしている」という自転車操業的なものでもないことが分かる。
これは[マクドナルド(2702)]に代表されるように、外食産業全体が不調の中でも、比較的低価格帯の商品を展開する企業が客数の増加で売上を伸ばしているのと同じ傾向。消費者の生活防衛の行動がそのまま形となって現れたものといえる(【「借金してでも浪費」から「生活防衛」へ-リセッション入りするアメリカで変わる消費者行動】も参照のこと)。
小売業が苦戦を強いられる中、同社売上高の堅調さは経営成績にとって、プラスに働いていることは間違いあるまい。
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