不動産投資を始めたその理由 「不労所得」と「資産運用」

2009/07/04 09:01

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安定のための不動産投資イメージ野村不動産グループの投資用不動産サイト「ノムコム・プロ」は2009年6月23日、不動産投資に関する意識調査の結果を発表した。それによると、調査母体のうち投資用物件保有者の約75%が、保有理由について「安定した副収入(不労所得)が欲しいから」と回答していることが分かった。また、購入時にはローンの割合が大半を占めている場合が多く、多少背伸びをしてでも「安定した利回り」を求めている不動産投資家の姿が見えてくる(【発表リリース】)。



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今調査は2009年5月13日から6月3日、「ノムコム・プロ」会員に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は761人。今調査項目ではそのうち投資物件の保有者401人を対象にしている。

投資用物件を保有している、つまり居住用の物件購入ではなく不動産投資をしている人にその理由を尋ねたところ、約75%が「安定した副収入(不労所得)が欲しいから」と回答した。利回りの高さや節税対策など、よくある「不動産投資のイメージ」に対する回答は1割を切っており、当事者たちは現実的な視点から、不動産投資をしていることが分かる。

不動産投資を始めた理由(不動産物件保有者)
不動産投資を始めた理由(不動産物件保有者)

調査母体のプロフィールを見ると「半数が会社員」「平均年齢46.2歳」「年収1000万円以上が50%」と、年収さえ除けばごく普通の人たち(恐らくは中堅どころ以上の企業の部課長クラスなのだろう)であり、そういった人たちが将来を見据えて・安定した収入の上積みを求めて不動産投資をしていることが見えてくる。

それではそういった「高収入な、でも周囲にはちらほら居そうな人たち」が投資物件を購入する時は、やはり現金でポンっと即金購入をするものだろうか。そのようなイメージを打ち消すがごとく、実際には「自己資金3割以下」が7割近くに達しているという結果が出ている。全額をローンで借り入れている人も17.0%いるほど。

物件購入時の資金プラン
物件購入時の資金プラン

借入を増やしてでも物件を購入する傾向は、【値上がりする住宅はローンの積み増しで購入!? 増加する住宅ローン総額平均】にもあるように居住用物件でも見受けられる。金利が低いこと、「今が買いのチャンスだ」と考えている人が多いからなのだろう。また今件においては、「元々の年収が高いため、多少無理めなローンを設定しても、返せる自信がある」のもローン比率が高い要因といえる。



「借入をしてでも安定した利回りを生み出す不動産物件を購入し、収入の上積みを図る」「借入による返済額よりも、投資用物件が生み出す収入が多ければ、それは良い借入である」という考えは、一時期ブームを呼び今でも多数のファンを持つ『金持ち父さん貧乏父さん』シリーズのそれと非常に似通っている。

不動産市場そのものが低迷している昨今、疑問を呈する声も少なくはない。しかし安定生活を求める意向は強く、それが高収入の人においても不動産投資の魅力に誘われる理由の一つとなるのだろう。



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