暇つぶし ケータイ使ってニュース見る 長時間ではゲームやチャットも

2009/06/27 07:55

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通勤中の暇つぶしにケータイイメージマイボイスコムは2009年6月22日、暇つぶしにおける携帯電話のコンテンツ利用に関する調査結果を発表した。それによると、短い空き時間での携帯電話のサイト利用においては、「ニュース」を利用・閲覧する人がもっとも多く、半数近くに達していることが分かった。次いで「天気」「スポーツ」など、情報系サイトへの閲覧が多数を占めている。一方比較的長い時間の暇つぶしになると、「ニュース」がトップなことに違いは無いが、「ゲーム」「コミュニケーション系」(チャットや掲示板)が続き、自分も参加できるタイプのコンテンツが上位に名前を連ねている。自分自身も参加できる時間が確保でき、「ただ読むだけ」ではなく「自分も仲間入り」して深く楽しむことが可能となるからだろう(【発表リリース】)。



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今調査は2009年6月1日から5日までの間にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1万5000人。男女比は46対54で、年齢階層比は30代36%、40代29%、50歳以上18%など。

携帯電話のサイトを暇つぶしの手段として用いる人は63.2%という値が、今調査の結果から出ている。それでは具体的に、どのようなサイトを暇つぶしに利用しているのだろうか。短い時間、例えば電車の待ち時間や他人との待ち合わせなどの場合、もっとも多いのは「ニュース」で48.8%を占めた。暇つぶしに携帯電話のサイトを利用する人のほぼ半分は「暇つぶしにニュースサイトを見る」ということになる。

短い空き時間の暇つぶしに利用する携帯サイト(複数回答)
短い空き時間の暇つぶしに利用する携帯サイト(複数回答)

「ニュース」に続くのは「天気」そして「スポーツ」、さらに「エンタメ情報」など、一方的配信される情報を利用者は閲覧するだけという「一方的な配信」コンテンツが圧倒的に上位についている。これは利用時間が短いだけでなく、いつ中断する・させられるかも分からない状況下にあり、途中で止めてもさほど問題はないものを選ぶ傾向があるからと思われる。ただし、【ケータイ小説+220%、一方で着メロは-34%・変わるモバイルコンテンツ市場】などにもあるように急速に市場を広げつつある「ケータイ小説」の利用度が(一方向的な配信であるにも関わらず)非常に少ないのが気になる(これについては文末で考察を行う)。

一方、もう少しまとまった時間が取れたとき、例えば電車やバスなどでの長距離移動、さらには自宅でごろごろとしている時などの暇つぶしには、どのような携帯電話のサイトを使うのか。こちらもやはりトップは「ニュース」だった。ただしその割合は「短時間」の時と比べて約20ポイントも減少している。

長い空き時間の暇つぶしに利用する携帯サイト
長い空き時間の暇つぶしに利用する携帯サイト(複数回答)


「短時間」のグラフと同じように、上位の「双方向系コンテンツ」を黄緑色に塗ってみたが、短時間利用時と比べて上位に持ち上がっているのが分かる。これは冒頭でも触れたように、自分自身も参加できる時間が確保でき、途中で突然断ち切られるリスクが減るため、「ただ読むだけ」ではなく「自分も仲間入り」して深く楽しむことが可能となるからだろう。

箇条書きにしてまとめると、

・全般的な暇つぶし……「ニュース」は幅広い状況下でニーズが高い。
・短時間の暇つぶし……すぐにでも次の行動に移れるような「見るだけ」のサイト中心。速報性のある情報のニーズが高い。
・長時間の暇つぶし……自分も参加できるサイトの人気が高い。

トレインチャンネルイメージなどとなる。暇つぶしをするための携帯コンテンツを作る場合、どのようなニーズがあるのか、そのニーズを満たすにはどんな構成にすべきかを考えるべきだろう。例えば「短時間の暇つぶし」の人を対象にするのなら、「一画面で読みきれるニュース」の方が好まれる。数ページにわたるものだと、読みきれないかもしれないからだ。メディアそのものは違うが特性的に似通っている、【「トレインチャンネル」-電車の中の液晶モニタ映像広告にみる、プロモーションメディア広告の善戦ぶり】で解説した「トレインチャンネル」が、1ニュースにつき1画面内に収まる体裁を原則としているのも、それが遠因なのだろう。

また、今回の調査対象項目はあくまでも「サイト提供によるコンテンツ」。自分がやりとりしているメールは対象外となっている。メールの送受信も含めれば、あるいはこれがトップにつくかもしれない。



さて、本文中で「ケータイ小説」の割合が低いことについて触れた。【10代女性の7割は「ケータイ小説読んだことあるヨ」-若年層、特に女性に強い携帯小説・コミックたち】【ケータイ小説、出版化されれば7割が購入】にもあるように、特に若年層においてケータイ小説のニーズは高い。それにも関わらず、今回の調査結果では「短時間」「長時間」双方において、回答率はきわめて低い。これはどうしたことだろうか。

携帯小説閲覧中イメージ考えられる一つの可能性は「本当はあまりケータイ小説は読まれていない」。しかしケータイ小説そのものの盛況ぶりを見れば、それは考え難い。と、なると後は「今回の調査があくまでも『暇つぶし』を対象としたから」ということが考えられる。つまり「ケータイ小説」は、「暇つぶし」ではなく「本腰を入れて」読むから、今回の調査では上位に名が挙らなかったという仮説である。

食事に例えて、「すき焼きに人気があったとしても、『箸休めに何を食べますか』という質問に、すき焼きを回答する人は少ない」といった表現ならば分かりやすいだろうか。要は「ケータイ小説はメインディッシュであり、前菜や副菜ではない」とするものだ。【ケータイ小説、読む時間は1日45分】あたりの調査結果に目を通すと、この仮説があながち的外れではないことが理解できよう。



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