【更新】「今が買い」!? 若年層で増加する不動産への購入意欲
2009/06/26 05:16
東急住生活研究所は2009年6月24日、住宅購入意欲に関する調査結果を発表した。それによると住宅計画の保有者率や、現在の不動産市場のお買い得度は30代を中心に上昇を見せている状況が確認できる。市場の雰囲気は若年層を中心に変わりつつあるようだ([発表リリース、PDF])。
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今調査は2009年4月18日から20日の間、首都圏に住む25歳以上の男女1万7858人を対象にインターネット経由で行ったもの。男女比は非公開。年齢階層比は50-54歳が4714人、55-59歳が2774人、45-49歳が2526人など、5年区切りの年齢階層ではやや中堅-高齢者の割合が高い。
【進む二極化・境界線は「20万円・70平方メートル」-東京23区内の賃貸住宅家賃事情】や【「そろそろ底かな」マンション購入意識に変化が・でも条件には厳しい目】などでも触れているように、昨今の不動産市場では若年層を中心に手ごろな価格の物件に対する意欲が高まる傾向を見せている。それでは住宅の購入などに対する計画を、具体的に保有している人はこの1年でどのような変化を見せただろうか。「住宅計画を持っている」人の割合を見たところ、25歳-44歳の層で大きな増加を見せていることが分かった。
年齢別住宅計画保有率(「住宅計画を持っている」人の割合)
1年前の同様の設問による回答と比べてみると、明らかに20代後半から40代前半の層で「住宅計画を持っている」人の割合が増加しているのが分かる。元資料には「住宅計画があったがしばらく様子を見ることにした」人の数も掲載されており、この数もこの層で顕著な増加を見せていることを考慮すると、「最終的に計画を持つか、あるいはもうしばらく相場の安定を待つかの決断の違いは別として、市場の大きな下落で住宅計画を持つ意欲が高まった」人が若年層を中心に増加していることが把握できる。
それでは実際に「住宅計画」を持つ人たちは、どうしてその決断に至ったのだろうか。その大きな理由の一つとして考えられるのが「買い時感」。不動産の市場動向について現在が「買い時か」という設問に対しても、やはり若年層を中心に肯定意見が多い。
現在の不動産市場が「買い時」だと思うか
若年層、中でも30代の「買い時感」がひときわ高いのが分かる。
若年層の不動産購入意欲に対して「袖が振れるか否か」については【値上がりする住宅はローンの積み増しで購入!? 増加する住宅ローン総額平均】で一部傾向が見えているように、ローンの積み増しで対処するものと思われる。むしろ昨今の市場動向を見て、「これが天与の買い時」と判断した若年層が、各種物件に対して積極的なリサーチをかけ、購入を検討しているようすがうかがえる。今後不動産市場が大きく動く場合には、この層を中心としたものとなることだろう。
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