借金で悩んでいる時にやってはイケない五原則
2009/06/22 06:09
景気後退の折、不意の多額の出費で動かせる現金だけでは対応できない場合、またはローンを組んで大きな買い物(自動車や住宅)を購入した後に収入の突然の減少で人生設計に計算違いが生じた場合など、借金をしなければならない状態は多々存在する。この借金が「重大な問題」となるほど自分には背負いきれそうにもない額にふくれ上がった場合でも、最優先事項は自己破産を防ぐことに他ならない。それを避けるためさまざまな手立てが考えられるが、解決策”に見える”ものの実のところ「これも出来る限り避けた方が良い」というものもある。【How Life Works】では代表的な5つの「避けるべき」方策と、その理由も提示している。
スポンサードリンク
1.クレジットカードの支払いで、最低支払い額「だけ」を支払う
最低支払額だけを払い続けることで、カードの契約そのものを止められるなど、次の手続きを取られずに済むため、一見事態は改善しているかのように見える。しかし(大抵において)元本が減るわけではなく、支払いを続けるにつれて「支払った総額」は増え、借金は減らないという状態が加速化することになる。とても事態が改善しているとは言えない。
2.友人や家族に金銭的助けを求める
自分の借金を減らすために友人や家族にお金を借りることは、一見良い方策に見える。利子無し・法的拘束力無しで借りられるかもしれないし、ローンの取立てと比べればずいぶんプレッシャーも軽減されるからだ。しかしそのプレッシャーが無いせいで、借金の返済がおざなりになることも多く、返済がとどこおればかけがえの無い関係もあっと言う間にチリと化してしまうかもしれない。
3.高利のローンでとりあえず穴埋めする
現存の借金の支払日が迫っているのに、なかなか手当てが出来ないからといって、査定がゆるいローンに手を出すのは考えモノ。そのようなローンの場合、大抵において金利はこれまで借りていた通常の借金より高いものとなる(査定が低い=貸し倒れの可能性が高い、よって貸す側としては金利を高くして当然)。結局その場しのぎの返済となり、借金の負担は(高金利によって)より大きなものとなる。穴を埋めるのに必要な土を他の地面を掘り起こして持ってきたのでは、結局別の穴が開いてしまうだけで疲れ損、というわけだ。
4.高料金の「カウンセラー」に相談する
景気情勢や借金問題に苦しむ人の増加を受けて、借金関連の相談を受ける窓口は各所に開かれている。彼ら専門家の声に耳を傾けることで、事態の改善、さらには問題の解決を図れる場合も多い。しかしながら時として、暴利な金額を要求するだけで事実上何もしないような「専門家」も存在する。
5.自己破産をする
「自己破産を避けるために」云々と冒頭で触れておいたものの、結局これしかないということで選択をする。確かに債務を軽減できるかもしれないが、すべてが救われるわけではない。多くのモノを失ってしまう。
上記のリストはあくまでもアメリカでの話。しかも元記事では「自由債務救済措置 (Freedom Debt Relief)」制度を活用しましょうという宣伝につながっている。そこでいくつか日本の事例にそって補則をしておくことにする。
まず「1.」はクレジットカードだけでなく借金全体の基本的な問題。利子だけ払って元本が減らないのでは、支払い総額が上積みされるだけの話。少しでも元本を減らすような形で返済することを心がけねばならない。「2.」もよくある話で、一時的には救済されるかもしれないが、元記事にあるように「借金のプレッシャーから何のペナルティも無く開放される」ため、再び借入をしてしまい、元の木阿弥となる場合が多い。
「3.」も結構耳にする場面。あるカードローンの支払期日が迫っているために、別のカードローンで借入をして返済に充てるという、いわゆる「自転車操業」。返済額そのものが減るどころか逆に増えているため、問題の解決にはならない。しかし一社のローンの支払いを果たした時点で「自分の力で返済できた」と誤解してしまう。結局問題解決どころか、事態は悪化するばかり。
「4.」は日本では法的資格を持つ人(自己破産などの借金問題の解決を主業務としている弁護士や司法書士)ならほぼ問題は無い。しかし中にはチラシやスパムメールで「解決できます」と、そのような専門家以外からアプローチをかけてくる場合もある。精神的に追いやられてしまっている時に、言葉巧みな宣伝文句に釣られて、ついついそういう「危ない業者」のワナにはまる場合もあるので注意は必要。
「5.」の場合、自己破産は最後の手段でしかなく、出来うる限り避けねばならないのは言うまでもない。また、あまり知られていない話ではあるが、「自己破産」以外に「個人債務者再生」という方法もある。こちらの方法なら、手持ちの財産を処分しなくても良いなどのメリットがある(継続的な収入の見込みがないと利用できないなどの縛りあり)。このあたりは「4.」でも触れている、借金問題に詳しい法的資格を持つ専門家の窓口を叩くのが良いだろう。
スポンサードリンク