【更新】ウェブで最新マンガが読めるなら「ぜひとも読みたい」1割足らず、か!?

2009/06/17 07:28

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マンガイメージ情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアなどは2009年6月16日、マンガとウェブ掲載に関する意識調査結果を発表した。それによると、定期発刊のマンガ雑誌について、その「最新号の」内容がウェブ上に無料公開された場合でも、「積極的に読みたい」と考えている人は全体の1割足らずに過ぎないことが分かった。ただし「自分の興味があるマンガなら」という条件付なら、読む人は「積極的に」と合わせて7割を超えており、ウェブ上の公開が必ずしもマンガを読ませる最大要因にはなりえないことを示唆する結果となっている([発表リリース])。



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今調査は2009年5月27日から6月1日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員(携帯電話による個人認証を利用したもの)に対して行われたもので、有効回答数は530人。男女比は53.8対46.2で、年齢階層比は20代36.8%、30代31.5%、40代31.7%。

先日講談社の月刊マンガ誌【モーニング・ツー】が、店売りの発売と同時にその内容をウェブ上でも公開するという試みを行った。結果として雑誌も売上を伸ばすという、相乗効果が得られたとのこと(参照:【モーニング・ツー、Web無料公開で売り上げアップ(IT media)】)。

それでは実際に、他の雑誌でも最新号に掲載されているマンガがウェブ上で無料公開されたら、やはり読んでみたいと思うだろうか。何はともあれ「読んでみたい」とする人は全体で1割に過ぎなかった。しかし「興味のあるマンガなら」という条件がつけば64.5%が読むとしており、それをあわせると7割強の人が「興味関心を引くマンガならばウェブ上の最新マンガに目を通す」と回答していることになる。

雑誌の最新号に掲載されているマンガがWEB上で公開されていたら、読んでみたいと思いますか?
雑誌の最新号に掲載されているマンガがWEB上で公開されていたら、読んでみたいと思いますか?

このデータにおいて問答無用で読む人が1割前後しかいないことを見ると、ウェブ上での最新マンガの無料公開掲載がマンガ離れの決定打とはなりえないことを意味する。しかし同時に「決定打ではないが、相当認知度を高める効力打にはなり得る」ことも見て取れる。立ち読みや他人から借りたり、図書館・飲食店などでの機会を得て読むくらいで自分から購入しないという「読者だが購入者ではない」人の場合、実に9割以上が「(興味があれば)読みたい」と答えており、少なくとも認知させるのにはうってつけとなりうるからだ。

さらに「(立ち読みや借りるなどの手段で)マンガをまったく読まない」という人ですら、「読みたい」「興味があれば読みたい」と回答した人が6割近くを数えている。認知という観点では、大いに効果が出る可能性を示唆している。

今調査では「ウェブ上で最新号が公開された雑誌について、紙媒体の雑誌を買うことがあるか」という問いはしていないため、「モーニング・ツー」のような「ウェブで公開したら雑誌そのものの売上も伸びた」という直接・即時的な波及効果の可能性を推し量ることは出来ない。しかし「普段マンガを読まない」層にも興味を持たせる効果が十分にあるという点が分かっただけでも、雑誌のウェブ公開の可能性を見せてくれたといえよう。



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