高校生 8割近くがケータイを「情報端末」認識してます

2009/06/07 09:25

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高校生の携帯電話利用イメージベネッセは2009年5月21日、小中高校正のICT(情報・通信に関連する技術、Information and Communication Technology)に関する調査結果【子どものICT利用実態調査】を公開した。その調査結果によると、中学生の6割強、高校生の8割が、携帯電話について「いつでも必要な情報を調べることができて便利」と考えていることが明らかになった。中高生も携帯電話を「情報端末」として認識していることの表れといえる。一方で携帯電話に依存する傾向もいくつかの回答項目で見られ、良い事ばかりではないことがうかがえる。



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今調査は2008年9月から11月にかけて行われたもので、調査対象は小学4年生から高校2年生まで、有効回答数は計1万0267人。調査方法は学校を通しての質問紙による自記式調査。なお今回の調査結果項目は「自分専用・家族と一緒に使う携帯電話を持っている」人のみを対象とし、小学生は対象外となっている。

自分自身の携帯電話か家族と共有の携帯電話を持っている人に対し、携帯電話の利用についてどのような認識をしているか、用意された項目に同意できるか否かで尋ねたところ、その項目のうち「携帯電話はいつでも必要な情報を調べることができて便利」には、中学生が65.8%、高校生は79.6%が回答していた。単なる通話やメール機能だけではなく、物事を調べる情報端末としてこれだけの中高生が携帯電話を認識していることになる。内閣府が2007年に発表した調査結果(【宿題もインターネットで調べる時代・ネット利用小学生の7割が「宿題はネットで」】)と比べると、浸透度・傾注度が高まっているようにも見える。

携帯電話利用についての意識
携帯電話利用についての意識

また、「メールが来たらすぐに返事」「メールの方が気持ちを伝えやすい」の2項目以外は中学生よりも高校生の方が意識が高く、全般的に携帯電話への傾注度が高まっていることが分かる。携帯電話についてさまざまな知識を得て、それを活用する柔軟性も持ち合わせる年頃になったからだろうか(保有者に聞いているので、保有率の上昇とは直接は関係ない)。

それぞれの項目について学校段階別・性別に区分してみると、高校生の「メールの方が気持ちを伝えやすい」以外のほぼすべての項目で、女性より男性の方が高い意識を有している。それだけ携帯電話への傾注度が高いことがあらためて分かる。

携帯電話利用についての意識(中学生、性別)
携帯電話利用についての意識(中学生、性別)

携帯電話利用についての意識(高校生、性別)
携帯電話利用についての意識(高校生、性別)

特に絵文字に対する反応をはじめとした。電子メールによるやり取りによる携帯電話への依存症的な回答率は中学生より高校生、男性より女性の方が高い回答率を見せている。依存的要素ともいえる「携帯電話がいつも手元にないと不安だ」「電話やメールが1日に一つもこないと悲しい」「携帯電話を使っていると時間を忘れる」の3項目に限って、学校段階・男女別にわけてグラフ化すると、それが一層明らかに把握できる。

携帯電話利用についての意識(依存的要素、学校段階・男女別)
携帯電話利用についての意識(依存的要素、学校段階・男女別)

特に高校生女子は、6割近くが「時間を忘れてケータイを使ってしまう」「手元にないと不安」、5割近くが「メールや通話がないと悲しさを覚える」と感じている。【二人に一人は「家の中でも携帯電話を持ち歩く」】は男女の区分無しの調査結果だったが、恐らくこれも女性が男性を大きく上回っていたのだろう。また、【携帯電話「持ってないとチョー不安」が4割、まったく不安でないのはわずか2.8%】でも「男性より女性、高齢層より若年層の方が、携帯電話を持ち歩かないことへの不安感は強い」という結果が出ている「携帯が手元にない状態に対する不安」は中高生だけに限らず、若年層の女性全体に強い共通認識なのだろう。



携帯電話で調べものをする高校生イメージ用意された項目は、否定的・肯定的さまざまな内容だが、いずれにしても中高生の日常生活において携帯電話が深く浸透していることが確認できる。特にコミュニケーションの面で、携帯電話の高い位置づけが手に取るように分かる。今調査項目では小学生は対象外となっているが、今の小学生が中学生、そして高校生になった時、どのような結果が出てくるのだろうか。

今の小学生への携帯電話の普及率そのものは、現在の中高生が小学生だった時より高い。それに加え、今の小学生にとって、自分の上の世代の利用率・社会的広まりも高い(子どもは人生の先輩の動向を参考にして学んでいく)。恐らくはほぼすべての項目において、年々回答率、つまり携帯電話への意識が高まっていくのだろう。



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