「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」賛成は男性45%・女性35%

2009/06/01 06:49

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夫婦で家事イメージ内閣府は2009年5月29日、2009年版「男女共同参画白書」を発表した。それによると、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方について、全体では賛成が4割近く、反対も4割近くと意見が均衡していることが明らかになった。男女別では女性の方が反対意見が多く、年齢階層別では男性は歳を経るにつれて賛成が増え、女性は40代-50代が賛成意見が一番少ない結果となっている(【発表ページ】)。



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今調査結果は発表資料内「男女共同参画の10年の軌跡と今後に向けての視点」において掲載されているもので、調査自身は2009年2月2日から12日にかけてインターネット経由で男女1万人を対象に行われている。

「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方について、全体では「賛成」「どちらかといえば賛成」をあわせた賛成派は39.6%、「反対」「どちらかといえば反対」をあわせた反対派は39.7%とほぼ均衡した結果となった。ただし主張度が強い「賛成」「反対」だけを見ると「反対」の方が多く、やや反対派の方が強めとも受け止められる。

「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方について
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方について

男女別では当然ながら男性の方が賛成派が多く、女性は反対派が多い結果が出ている。ただし男性の賛成派が44.6%・女性は34.6%と差は10ポイント。これを「10ポイント”も”」と見るのか「10ポイント”しか”」と見るのかは判断が難しい。

これを年齢階層別に見ると、男女で違った傾向が見受けられる。

「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方について(男女・年齢階層別)
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方について(男女・年齢階層別)

男性は20代においては賛成・反対が均衡。若年層では家事分担などにおける男女平等の考え方が浸透しているのだろう。これが年齢が上がるにつれて「分からない」「反対派」の数が少しずつ減り、その分「賛成派」が増加していく。「夫は働き妻は家庭に」という、いわば昔ながらのライフスタイルに賛意を示す人は高齢者ほど多いという計算だ。特に50-60代では「分からない」人の割合が急激に減り、その分「賛成派」が増加しているあたり、意志の強さが見て取れる。

一方女性は全般的にどの年齢階層でも同年齢層の男性の「賛成派」意見を上回ることはなく、「反対派」が「賛成派」を上回っており、全体的に「反対派」であることに違いはない。しかし20代で36.6%が賛成と、60代に次ぐ高い値を示すなど、男性とは違った傾向も見られる。

これについて内閣府では「非正規労働者割合の増加や、仕事と子育てなどとの両立が難しいという雰囲気があることから、現在の就業構造が若年層の女性の意識に影響を与えているのではないか」と分析している。

同調査別項目によると、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という性別上の固定概念で仕事や進学、就学などの点で自分の望む進路をあきらめざるを得なかった人は、男性と比べて女性の方が圧倒的に多い。最終的には個々の夫婦の個別事情によるところが大きいが、果たしてその先入観を重要視すべきか、個々の意識を尊重すべきかは、一人一人が考えて判断すべきだろう。



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