「中の人などいな……いるじゃん!」なパソコン
2009/05/27 06:29
家の中を見回しても大は冷蔵庫やエアコン、パソコン、小は携帯電話や携帯音楽プレイヤーに至るまで、実に多種多様な機械が日々の生活を支えている。それらはすべてICチップやコンデンサなど各種機械部品から構成されているものだが、もし仮に【「何これスゴい」と誰もが目を向ける広告たち】のドイツの自動販売機を使った求人雑誌の広告のように、「中の人」がいたらどんな仕事ぶりを見せてくれるだろうか。それを再現した……というか演出した動画を先日見つけることができたので、今回はそれを紹介することにする。タイトルは【ヒューマンインターフェイス(Hi[human interface.]】)。
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ヒューマンインターフェイス(Hi[human interface.]
「ヒューマンインターフェイス」は言葉通り人間が各種機能を実行するタイプのパソコン。マシン自身の起動やメールチェック、返信、スパム処理、さらにはアップグレードなどを行う「中の人」の様子を動画で再現している。外から端末を色々と操作している人には、箱(パソコン)の中のことは一切分からないが、中では手作業で一生懸命に「中の人」が働いている。
例えば起動時には「ヒューマンインターフェイス起動中です(LOADING HUMAN INTERFACE)」とのメッセージと共に、歯を磨いてヒゲをそり着替えをする「中の人」の様子が描かれている。
「起動中です」……ってヒゲそってるんかい!
パソコンの起動には(実際には数分程度でしか無いが)それなりに体感時間がかかるもの。しかしこの「ヒューマンインターフェイス」のように、中の人が一生懸命支度をしている様子を想像すると、「時間かかっても仕方ないかな」と思えてくる。また、マシンが稼動中に表示される回転式の床屋の立て看板のようなバーを手で回しているあたりは、いかにも「手作りマシン」っぽさが出ている。
起動後、マシンの持ち主はメールチェックを行う。彼女から「愛してるわ」とのメッセージと共に添付写真を受信。愛の言葉「ボクもだよ」をすぐさま返信するようすが「中の人」の働きぶりと共に描かれている。
「愛してるわ」のメールにすぐさま返事を書く持ち主。キーボードがタッチされると、その文字をそのまま筆記する「中の人」
その後も動画は続き、スパムメールを処理したり、圧縮されたアップグレードファイルを受信して解凍し、「中の人」がアップグレードする様子が映し出されていく。
この動画、実は【Multitouch Barcelona】というスペイン・バルセロナを拠点に活動する22歳・4人組のデジタル系の演出集団による作品。詳細は【インタビュー記事】にあるが、デザインやインタラクティブな事象、技術を融合した作品を生み出している。例えば下のような、【リアル・デジタルインベーダー(Multitouch Space Invaders)】が好例。
Multitouch Space Invaders。デジタルとアナログの融合表現的な雰囲気
ともあれ、普段こき使っているパソコンをはじめとする機械たちに、愛着を感じさせてしまう動画には違いない。実際には「中の人」などいないけれど、居るように想い、いつも接している機械たちに感謝の意を示すのも悪くはないものだ。
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