【更新】お食事宅配サービスの世代
2009/05/20 12:00


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具体的な参照データは、経済産業省が2007年6月に公開した[「生活づくり産業へと進化する我が国小売業-コミュニティ貢献とグローバル競争の両立-」(新流通産業研究会とりまとめ)について]。ここの参考資料としてあげられている[ベストプラクティス集(PDF)]内55ページに、具体的データが(小さくではあるが)掲載されている。
さて「食事配達サービス」とは、完成した、あるいはほぼ完成品の食事を宅配で自宅まで届けるサービス。毎日の食事の準備に不便を感じている人や、健康に配慮した食事をしたいと考えている人へ、事前にカタログから注文することで、品質や味にこだわりのある商品を提供するもの。惣菜屋やコンビニ、お弁当屋にまで足を運ぶ手間も時間も要らない、便利極まりないサービスである(その分手間賃はかかる)。【セブンイレブンの食事配達サービス、1食分の塩分を3.0グラムから2.2グラムに低減】や【セブンイレブン(3382)、食事配達サービス「セブンミール」を全国に拡大】にもあるように、セブン&アイが提供している「セブンミールサービス」では、自宅までの宅配の他に、コンビニでの受け渡しも選択できるという便利なシステムを導入している。
「食の安全や健康に気を使いたいが、時間が無い、料理ができない」人向けのサービスと見ることができるが、この利用者層は意外にも高齢者が多かった。50代以上が実に6割を占めている。

セブンミールサービスの利用客年齢階層(2006年12月度。併記しているセブンイレブン来客層は2005年度実績)
同資料には「セブンミール」の立ち位置について、
と説明。セブン&アイ側でも、コンビニのセブンイレブンが高齢者にあまり好かれていないことを認識すると共に、そしてその穴を埋めるための対応策の一つとして食事宅配サービスを実施していると述べている。
【食品の 安全性に気を使う 若者よりも お年寄りたち】などで解説しているが、高齢者は若年層に比べると「食の安全」に対するこだわりが強い。その結果として、支出全体に占める食費の割合が高くなるのも仕方のない話で、【エンゲル係数の推移】にもあるように高齢者の方がエンゲル係数が高い傾向を見せている(可処分所得が少ないのも一因だが)。
「お食事宅配サービス」というと解説部分にあるように、時間が取れなかったり料理が苦手な中堅OLなどの女性の利用が多いというイメージがあったが、実際には高齢者の利用が極めて多いことが確認できた。今後高齢化社会が進むにつれて市場も拡大することを見据え、このような「高齢者(をメインターゲットに据えた)向けサービス」が、次々に誕生していくに違いない。
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