ノーベル経済学者クルーグマン氏、オバマ大統領との夕食会後「黙して語らず」

2009/05/11 05:22

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クルーグマン氏イメージ【masayangの日記】が伝えるところによると、2008年にノーベル経済学賞を受賞したアメリカの経済学者ポール・クルーグマン(Paul Robin Krugman)氏が自身のNewYorkTimes内に設置されているブログにおいて、アメリカのオバマ大統領との夕食会に招待された後、5月5日に【言う事は何も無い(Nothing to say)】というタイトルのもとに短い説明を語り、その後ブログの更新を止めていることが明らかになった。氏はこれまで毎日のように自論をブログ上で展開していたことから、行動の突然の変化にさまざまな憶測が飛びかっている。



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「Nothing to say」
「Nothing to say」

クルーグマン氏は2008年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者兼コラムニスト。日本との係わり合いにおいては、1980年代以降のバブル崩壊後の経済停滞をして「流動性のワナに落ちている」とし、日本政府・日本銀行の対応の遅さを繰り返し批判。しかし最近になって、2007年夏の「サブプライムローンショック」以降金融(工学)危機が進行を止まない状況を見て、【We really owe the Japanese an apology(日本に謝らなければならない)】とコメントしたことで知られている(もっともこれは「アメリカ政府ですら出来ないことを日本政府に要求したことには無理があった」として、むしろアメリカ政府の対応の遅さを自嘲しているという読み方が正しいようだ)。

そのクルーグマン氏だが、2009年4月27日にはコロンビア大学のエコノミストJoseph Stiglitz(ジョセフ・スティグリッツ)氏(2001年にノーベル経済学賞を受賞、数々の要職に就任経験を持つ)と共にオバマ大統領との夕食会に招かれ、さまざまな意見を交わしたとされている(http://www.newsweek.com/id/195666:NewsWeek。今は記事は存在せず)。

しかしその内容について一切同氏のブログに記載されるところがなく、アメリカの有力経済ブログ【CalculatedRISK】では皮肉・冗談交じりに

まだ何のコメントもないね。きっと食事がまずかったんだよ。
(I haven't seen any comments from Stiglitz or on Krugman's blog - maybe the food wasn't very good.)

と感想を述べるほど。

これについてクルーグマン氏は5月5日に、

「なんで夕食会に関する記述がないのか知りたがってるようだが……うーん、なぜなら内容についてはオフレコなんだよね」
(Andrew Leonard and Calculated Risk want to know why I didn’t blog about dinner at the White House. Um, because the conversation was off the record.)

と短い説明を行い、その後一切更新を止めてしまっている。

コメント欄では170件以上のコメントが寄せられ、「オフレコ」の内容やその後更新を止めてしまったことに対する不信・不安・疑問が読者から殺到しているのが分かる。

単純にクルーグマン氏が忙しくて更新が出来ないだけなのかもしれないし、ツッコミが入ったことで更新が出来ないような立場に追いやられたのかもしれない。また、参照元記事で指摘しているように「無言の抗議」なのかもしれない(読者には「空気を読んで欲しい」というわけだ)。

日本には「沈黙は金、雄弁は銀」ということわざがある。クルーグマン氏の「沈黙」が本当に「金」なのかどうか(つまり無言の抗議を意味しているのか)。あるいは本当に「言うことが何も無いほど」素晴らしい内容だったのか・それとも呆れ返るほどひどい内容だったのか、あるいは単に食事がまずかっただけなのか(笑)、じきに明らかになることだろう。



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