レンタルを利用する際参考にするのは「テレビ」「POP」や「紹介」

2009/05/11 04:40

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CDレンタルショップイメージマイボイスコムは2009年4月23日までに、CD・DVDや書籍、コミックなどのレンタルに関する調査結果を調査結果を発表した。それによると、レンタルショップ利用経験者において、利用する際にもっとも参考にする情報は「テレビ番組・テレビCM」であることが明らかになった。デジタルメディアの中では「気になる作品の公式サイト」が影響力が強く、コミュニティ系の情報の影響力はそれほどでもないという結果も出ている(【発表リリース】)。



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今調査は2009年4月1日から4月5日までの間にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1万5426人。男女比は46対54で、年齢階層比は30代35%・40代29%・50歳以上19%など。

CD・DVDなどの音楽・映像系メディアや書籍・コミックなどのレンタルショップを利用したことがある人は、調査母体においては83.9%をしめている。この83.9%に対して「どのような情報を参考にして、レンタルする作品を決めているか」言い換えれば「レンタルする作品決定時に影響を与えている情報」について尋ねたところ、もっとも多かった意見は「テレビ番組・テレビCM」で44.0%に達していた。

レンタルショップを利用する時、どのような情報を参考にしてレンタルする作品を決めているか
レンタルショップを利用する時、どのような情報を参考にしてレンタルする作品を決めているか

「テレビ」に続き大きな影響を与えているのは「店頭のPOP」。その次にようやく「家族・友人・知人の紹介」という、口コミ・コミュニティ的要素が入る。デジタルメディアの中では「気になる作品の公式サイト」がもっとも大きく、「アーティストの公式サイト」は7.9%に過ぎない。また、「YouTube、ニコニコ動画などの動画サイト」はわずか5.1%でしかない。

以前【テレビやインターネットの「CD購入時に与える影響力」】【YouTube、CD購入へ大きな影響あり・公式サイトやアーティストブログ並】で「CD購入時」における影響力が強いメディアの調査結果を伝えたが、「テレビ番組・テレビCM」が圧倒的なのは同じ傾向であるものの、コミュニティ系・デジタル系の媒体からの影響においては多少の違いが見られる。

CD購入のきっかけになるもの(再録)
CD購入のきっかけになるもの(再録)

比べて見ると、全体的な影響力には違いがないものの、「レンタル」より「購入」の方が、「デジタルメディア」「口コミメディア」の影響力が強い傾向が見受けられる。単純に「購入はCDのみの調査でレンタルは媒体全体だから」「調査機関や媒体、母体が違うから」と片付けるには、やや差異が大きい。

ここで「レンタルより購入の方が、金額面でハードルが高い。レンタルだけなら気軽に出来るので、一方的な情報を容易に信じて手に取り確かめられる」「購入となると実際に買った人・試した人の意見を聞いたり、動画などのデジタルメディアで確認しないと気がすまない」、言い換えれば「レンタルはハードルが低いので一方的に配信された情報を参考にできるが、購入の場合は口コミやデジタルなど、より信用度の高い情報を頼る傾向がある」という仮説を立てれば、上記の傾向には納得ができることになる。

それを裏付けるのが今調査の別項目、「レンタルショップを利用するのはどのようなときか」という設問。「ヒマな時」「興味はあるが自分で買うほどではないとき」など、対象作品を視聴するにしては動機のハードルが低い項目が上位に来ており、「新作が発売されたとき」などはさほど票が集まっていない。

レンタルショップを利用するのはどのようなときか
レンタルショップを利用するのはどのようなときか

レンタルショップにおいて一方的に配信する系統の媒体影響力が強いのは、やはり「手にとって視聴する」ハードルが低いからだろう。



商品全般に対する「購入の際の」媒体影響力については、同じマイボイスコムが以前【「口コミはテレビやラジオよりも大きな影響力を持つ」商品購入の際の情報源アンケート結果から】で紹介しているように、「口コミサイト」など第三者の意見が加味されたものが強い影響力を持つことが示されている。「レンタルは気軽で安価だから、広告や宣伝で気になったら試してみようか」「でも購入となるとお金がかかるから、色々と口コミ情報で第三者の意見を確認したり、デジタル情報で詳しく調べないと」といった気構えをしているのだろう。

逆に考えれば、レンタルショップの商品(特に自動車や衣装のような高額商品ではなく、今件対象となったCD・DVDのような比較的安価の商品)は、「ちまたにあふれる情報」「テレビなどで話題になった商品」が売れ筋……ではなく多くの人に借りられる人気商品ということになる。思い返してみれば、確かにテレビや雑誌である映画が話題となると、その映画の前作や主演タレントの関連映画のDVDが軒並み「貸し出し中」になるものだ。

そのあたりの「消費者の行動意識の仕組み」をうまくつかみとり、商品の品揃えをすることで、レンタルショップはもっと活力が出るに違いない。



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