【更新】ベルリンで 旧ソ連製 戦車たち 自分で操縦 できるサービス

2009/05/06 08:09

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BMPイメージ先日[FNN]で、ドイツの首都ベルリン近郊で、旧ソビエト軍が使っていた戦車や装甲車に試乗出来るサービスが人気を博しているというニュースが目に留まった。単に「乗る」だけでなく自分自身で「操縦も出来る」ことが人気のポイントだそうだが、なぜこの時期に「人気を呼んでいる」と報じられたのだろうか。記事として取り上げようと調べていると、この「戦車試乗」は前々から評判のサービスだったことが分かった(去年の5月にも一度ニュースとして複数の報道機関で報じられている)。特に「最新ニュース」として目新しいものではないが、せっかく調べたのだからまとめておくことにする。



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この「戦車試乗サービス」が行われているのは、ドイツの首都ベルリン東部にある、Beerfelde(ベーアフェルデ)という村。


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Beerfelde村

ここで「戦車試乗サービス」のビジネスを始めたのは旧東ドイツの戦車修理担当者だったアクセル・ハイゼ社長。1970年代に自分が操縦していたチェコスロバキア製の戦車を廃車屋で見つけ(!)せっかくだからと購入し、5年前の2004年夏からこのビジネスをはじめたという。ドイツでは武装と砲身さえ外せば中古戦車ですら一般車両として輸入することができるため、スロバキア、ハンガリー、スロベニアなどの東欧諸国で次々と中古戦車・装甲車を買いあさり、試乗サービスを始めた。最新の料金設定では試乗136ユーロ(18000円)、乗車だけなら10ユーロ(1300円)。週に700人もの来客があり、村そのものの観光名所として周囲の食堂、宿をも潤す効果をもたらしているのこと。

戦車操縦シーン(公式サイトより抜粋)
戦車操縦シーン(公式サイトより抜粋)

戦車整備イメージ「戦車って操縦が難しいのでは?」という感じもするが、元々戦車(特に共産圏のもの)は操縦が至極簡単にできるような仕組みになっている。戦車は量産化・大量運用が前提なので、操縦が難しいと操縦手がいくら居ても足りなくなるからだ。また、共産圏の戦車は燃費が悪いことでも知られているが、試乗料金そのものが高額なため、十分採算はとれるらしい。さらに社長自身が元々修理担当者だったため、「車両」がトラブルを起こしても対処できるし、その技術を部下に継承させることも可能というあんばい。

実際、搭乗した人たちによる投稿動画も複数確認できる。


操縦中の車両を外部から撮影した動画。


こちらはコメントによるとT-55に搭乗している時の様子。ゆれが大きいことがわかる。

さてこの「戦車試乗サービス」だが、どうやら公式サイトは【こちらのようだ(Panzerkutscher:Tank driving in germany)】。説明によると、一回の試乗で大体30分くらいを要すとのこと。非常にインパクトが大きなサービスなので「誕生日プレゼントや結婚記念日などに、この戦車試乗サービスをプレゼントすると良いですよ」と説明されている(それでいいのか?(笑))。用意されている車両はT-55(砲身ナシ)と装甲車(兵員輸送車)のBMP(恐らくBMP1)。T-55は最大で時速60キロ・BMPは最大80キロまで出すことが可能。

T-55(左)とBMP(右)
T-55(左)とBMP(右)

料金は次の通り。

BMP……操縦136ユーロ、搭乗10ユーロ
T-55……操縦136ユーロ、搭乗10ユーロ
BMPとT-55操縦セット……236ユーロ
お土産(帽子とDVD)……28ユーロ
T-55かBMPの操縦とお土産、現地ホテルでの一泊宿泊(二人)・ディナーセットなど……293ユーロ

地元の産業活性化にも一役以上買っているわけだ。

日本ではせいぜい【日本にもいました 「戦車」を自作した戦車男】にもあるような、もどき戦車を作って楽しむことが関の山。周辺地域に足を運ぶ機会があり、興味がある人は、公式サイトから問い合わせてみるのも良いだろう。きっと良い経験ができるに違いない。



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