建物コレクション(銀行・集合住宅)

2009/05/05 13:40

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建物コレクション(銀行・集合住宅)イメージGarbage Shot」第百とんで五回。新ドメイン移行後第三回目となる今回は、トミーテックの「建物コレクション」シリーズから「銀行」と「集合住宅B」「集合住宅C」。



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詳しくは【手のひらサイズに農家を再現、「建物コレクション」第一弾「農家」シリーズ発売】などでも解説しているが、「建物コレクション」とは「ジオコレ」(「ジオラマコレクション」。バスやトラック、電車、建物などのさまざまなフィギュアを鉄道模型のNゲージスケールと同じ1/150の縮尺で忠実に再現したシリーズ)の一環として発売された、建物を中心としたリアルな造形シリーズ。同じようなシリーズとしては「街並みコレクション」があるが、「街並み-」がブラインド形式(中身は開けてみるまで分からない)だったのに対し、「建物コレクション」はあらかじめ中身が分かっているタイプで、よりコレクター色が強いものとなっている。

【公式サイト】の一覧を見れば分かるように、「建物コレクション」には「銭湯」「銀行」「消防署」「農家」など、どちらかといえば昭和時代・ノスタルジーを感じさせる古き良き時代の建物が多く用意されている。これは【団塊世代が大注目!? 鉄道模型ブーム再び】で触れているように、鉄道模型そのものやそのスケールの食玩・造形が団塊世代の注目を集めており、その年齢層のニーズにマッチしたものをラインアップとして用意した結果だと思われる。

さて今回取り上げるのは、その「建物コレクション」の中から『銀行』と『集合住宅B』、『集合住宅C』。「銀行」は当サイトが金融・経済系の記事を中心に取り上げていることから「これはやっぱり欠かせないでしょう」という点で、「集合住宅B」「C」は昭和時代を舞台にした漫画によく登場する、懐かしさを覚えるビジュアルだからという理由。ちなみに同時期発売の『集合住宅A』は副題の「テラスハウス」という名前からも分かるように、少々近代風の雰囲気がするのと、あまりにもオーソドックスすぎるので今回はパス。

早速パッケージを開けてみることにする。

「銀行」のパッケージを開けてみる
「銀行」のパッケージを開けてみる

中にはいくつのパーツをまとめた小袋が数珠つなぎになっている。他に説明書が1枚とシールが1枚。シールにはミシン線がないので自分でカッターなどを使って切ることになる。

パーツの数は多くて30-40くらい。説明書には別々の部品を合わせて組み立てるように記載されているが、実際にはすでに組み込んであるパーツも多く、思ったほど難儀するわけではない。ただし「集合住宅B」「集合住宅C」には細かい部品も多く、カッターを使った緻密な作業が求められる他、接着剤も必要となるため、ちょっとしたプラモデル作りのような手間がかかる。

とりあえず仮組みに近い形で、説明書の通りに組み立ててみる。

銀行
銀行

まずは「銀行」。「お堅い金融機関らしく親しみやすさより安定感を優先させた重厚な建物」との説明にあるように、なかなか威厳のある体裁をしている。今でも東京・銀座あたりにありそうな建物だ。

集合住宅B
集合住宅B

続いて「集合住宅B」。いわゆる木造のモルタルアパートで、今でも見かけるオーソドックスなスタイルのもの。松本零士先生の作品「大四畳半物語」をはじめ、多くの漫画に登場する建物で、いわゆる「トイレ共用・お風呂無し・四畳半一間」なイメージ。内部構造は作られていないが、窓の配置からすると六畳か二間くらいはあるかもしれない。

集合住宅C
集合住宅C

最後が「集合住宅C」。これも昭和時代を描いた漫画にはよく登場しそうなスタイルの建物。説明にいわく、「4世帯が暮らす木造平屋の建物」「石炭産業が盛んな頃をイメージしたレイアウトはもちろん、郊外に立つ古いアパートなどにも見立てることができます」とのこと。なるほど、鉱山などのそばに乱立していそうなアパートではある。



さて、実際に組み立てて写真を撮った上での感想だが、デザイン的にはかなりツボだったのは事実。特に「集合住宅B」は「男おいどん」「聖凡人伝」など松本先生の漫画の情景が脳裏によみがえってきそうな感すらあった。玉ねぎ頭のお婆さんな管理人と、ガニマタで出っ歯・短足な男性の同スケールフィギュアを立たせたいくらいである。また、適度な汚れ(本物っぽく見せるためものものでウェザリングと呼ぶ)も適切なものといえる。

銀行イメージ一方、一部で組み立ての困難さも気になった。「銀行」はパーツも少なくはめ込みのみで完成させることができたが、「集合住宅B」「集合住宅C」はカッターナイフで注意深く部品を切らねばならず(力を入れすぎると細い部品は折れてしまう)、さらに接着剤も必要。パッケージには「組み立てキット」としか記述が無く、これでは少々説明不足。これまでの「街並みコレクション」と同じ感覚で手にした人は、頭を抱えてしまうかもしれない。

さらに写真を見れば(、そして本文中で「仮組み」と表現したことからも)お分かりの通り、部品のゆがみがいくつか見られ、はめ込んだ後もスキマが目立つ箇所がある。「銀行」はまだ四面体だから格好がつくものの、「集合住宅B」「集合住宅C」は屋根のパーツが思いっきりエビぞりのように反ってしまっているので、正直見た目があまりよろしくない(安普請を再現している、と言われればそれまでだが)。ジオラマなどに使う場合には、形を修正する必要があるだろう。さらにこれは当方の場合だけかもしれないが、一部パーツを組み込む穴のサイズが合わず、こちらで削り出しをする必要に迫られてしまった。

「建物コレクション」はどちらかといえば「食玩」というよりは「鉄道模型」のストラクチャーに近い立ち位置にある。ならばもう少し部品の精度を求めてもよいはず。非常に良い着眼点のもと、建物のテーマを選択しているだけに、この「部品の出来が今ひとつ」という点がかえすがえすも残念でならない。……当方がこだわりすぎなのかもしれないけれども。



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