バフェット氏いわく「どんな価格でもアメリカの新聞社は買えないね」

2009/05/05 09:46

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ウォーレン・バフェット氏イメージ【CNBC.com】が2009年5月2日に伝えたところによると、ウォーレン・バフェット(Warren Edward Buffett)氏は同氏が経営する【バークシャー・ハサウェイ(BERKSHIRE HATHAWAY)】の投資家向けミーティングの中で、「たとえどんな価格であっても、アメリカの新聞社を買うつもりはない(Berkshire Hathaway would not buy most of the newspapers in the United States "at any price.")」と発言していたことが明らかになった。新聞社の現状については「メディア環境の変化は、新聞社の損失が止め処もないものになる可能性をもたらしている」と述べるとともに「損失の終えんが見えるような予兆はどこにも見えてこない」とし、かつて敬愛した「新聞」という媒体に半ば見切りをつけたことを表明している。



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バフェット氏自身幼い時に新聞配達をしていたエピソードを持っており、「社会の形成に寄与する機関」である新聞に対する愛着心は並々ならぬものがあった。1973年には老舗の新聞社であるワシントン・ポストの株式を10%取得し、以後経営者の立場としてのサポートも行っている。しかし先日開催されたバークシャー・ハサウェイの投資家向けミーティングでバフェット氏は「新聞(社)が大都市を支配して大儲けをする時代は終えんを迎えた(the days when a newspaper could have a monopoly in a large city and make a lot of money are over.)」と語り、新聞(社)への投資スタンスが変わったことを表明した。

ウォーレン・バフェット氏イメージしかし同時に、バークシャーが保有しているThe Buffalo Newsについては(経営的には100%売るべきであるとバフェット氏本人も同意しているものの)売るつもりはないと発言している。また、上記にあるようにバークシャーはワシントンポストの株式も保有し続けている。【WallStreetJournal】によると「ワシントンポストの新聞事業は困難な状態ではあるが(its newspaper business is in trouble)」、ケーブル事業が堅調に推移しているのが同社株式を売らずに継続保有する理由だとしている。

新聞社が抱える問題についてバフェット氏は、

かつて新聞はアメリカの社会形成には欠かせない存在だった。新聞が読者にとって欠かせないメディアである限り、広告主にとっても欠かせない存在足りえた(=それだけ広告媒体としての価値が高い)。しかし今や情報・ニュースは、例えばインターネットのような多種多様なメディアで展開されうる。これは新聞の広告媒体としての価値が劇的に下がったことを意味する。
(The problem, he said, is that newspapers were once essential to the American public. As long as newspapers were essential to readers, they were essential to advertisers, But news is available in many other venues, such as the Internet, which means a dramatic drop in advertising revenue.)

と語り、かつて独占的で高収益をあげ、バフェット氏のお気に入りの存在だった新聞メディアが、インターネットなどのライバルの出現によりその地位を失ってしまったことを説明している。

バフェット氏の判断が常に正しいとは限らない。とはいえ、昨今のアメリカ大手新聞の動向を見る限りにおいて、今回の表明の内容は的外れなものではないといえる。むしろ事実を裏付けるものとして受け止めることもできよう。



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