世界各国のネットユーザーにとって「信じられるメディア情報」順位
2009/05/02 10:10
先に【「新聞って信頼できるよね」「正確だよね」はそれぞれ6割、ただし若者と高齢者の間には大きなギャップも】でお伝えしたように、新聞通信調査会の調査によると「新聞」「NHKテレビ」がもっとも信頼に足るメディアであり、「民放テレビ」がそれに劣り、「インターネット」はほとんど信用ならないというのが全体的なスタンスだった。それでは「世界規模で」「インターネットユーザーに限れば」どのようなメディアのニュースを信用しているのだろうか。【eMarketer】ではTNS(世界第二位の調査会社)の調査結果を引用する形でデータを掲載していた。今回はそこからいくつかを抽出し、グラフを生成しなおしてみることにする。
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共通の条件は2008年12月15日に提供された2008年分のデータであること、インターネット利用者を対象にしていること、それぞれのメディアに対して10段階で評価をつけてもらっていること(1は信用ならない、10は完全に信用できる)、その評価を元に集計が行われていること、である。インターネット利用者を対象にしているため、当然ネット寄りの結果が出るのは否めない。世間全体ではなく「インターネット利用者という枠組み内での傾向」と見て欲しい。
今回はこちらでいくつかの国に絞って抽出し、グラフ化してみることにした。
インターネットユーザーにおける「信じられるメディア」
もっとも多いのはどの国でも「友だちからの口コミ」。原文では「Recommendations by friends」という表記でメディアは限定されていないため、実際の口頭伝聞以外にメールや掲示板などによる「口コミ」も含まれるものと思われる。要は情報発信源が特定されて信頼に足るものであるということ。日本でも商品購入に限っても【「口コミはテレビやラジオよりも大きな影響力を持つ」商品購入の際の情報源アンケート結果から】などの結果が出ており、あらためて口コミの力の強さが認識できる。
一方、日本ではインターネットユーザーでも「新聞やテレビニュース」がインターネットの「オンラインニュース」以上に信頼できるという結果がでているのに対し、アメリカやイギリスでは「オンラインニュース」の方が「新聞やテレビニュース」より信用できる、という結果が出ている。一方で、ドイツや中国は日本の結果とほぼ同じような値を示している。
国別などの違いを見ると、
・アメリカ……オンラインニュースの信頼度はテレビや新聞と同程度、あるいは少々上。
・イギリス……新聞の信頼度が他国と比べて非常に低い。
・ドイツ……Wikipediaへの信頼度が高い(52%)。
・中国……個人ブログへの信頼度が高い(24%)。
・日本……新聞、テレビニュースへの信頼度が高い。
などの特徴が見て取れる。無論どの国が進んでいてどの国が遅れている、ということではなく、国毎のオンライン環境や文化、メディアの指向性などの影響が出ているのだろう。
ジョーク記事を読みたい人ならともかく、ごく普通にニュースを知りたい人は、選択肢を提示されれば信頼のおける媒体のものを選ぶのがごく普通の話。アメリカで大手新聞社が次々に廃業を余儀なくされているのも、日本の新聞社が経営を傾けながらもまだ何とかその業務スタイルを維持しているのも、何となく理解できる気はする。
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