「マンガでわかる株式投資! 女子高生株塾」を買ってみた
2009/04/28 04:15
月一でダイヤモンド社から発売されている月刊投資系情報誌『ダイヤモンドZAi』。自称「一番売れている株の雑誌」なだけに、色々と気になる連載も多い。その中でも当方(不破)が毎号楽しみにしていた連載『マンガでわかる株式投資! 女子高生株塾』が3月末に単行本化された。ようやく入手して目を通したので、ここで改めて紹介してみることにする。
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「マンガでわかる株式投資! 女子高生株塾」
「マンガでわかる株式投資! 女子高生株塾」は、タイトル通り女子高生たちが主役の株式投資入門漫画。倒産してカリキュラムを「社会に役立つ」ものに切り替えた高校で、「金儲け」の授業において株式投資の仕組みを紹介したもの。「株は人気投票だ!」「配当&株主優待」「決算書の読み方」「MSCB」など、基本的なルールや投資のノウハウ、さらには「踏み上げ」「仕手株」など、普通の解説本ではあまり取り上げないような項目も、漫画で分かりやすく説明している。
漫画では紹介しきれない用語や出来事については、各話の後に「補修授業」のコラムを設けて説明。こちらも文面だけでなく、図解やイラスト付で解説しているので読みやすい。
それぞれの仕組みや用語の詳細は各証券会社の解説ページ・書類や専門書で確認する必要があるが、「●×ってこういう感じのものなんだな」というイメージをつかむのには最適の教材といえる。例えば現物の株式投資しかしていない人にとって「信用取引」や「先物とオプション」の話は、概念(イメージ的なもの、雰囲気)をつかみとるのにぴったりの内容だろう。
連載そのものは2006年5月号から2008年1月号まで。もちろんその後にリーマンズ・ショックなどに代表される金融(工学)危機が本格的に到来したわけだが、今回単行本化されるにあたり各種データを最新(2009年1月時点)のものに書き換え、新規描き下ろしも100ページほど行われている。
なお、株式関連の情報とはまったく関係がないのだが、描き直しの場面も多数見受けられる。一言でまとめると、全般的にビジュアルのタッチが「アメリカのコミカル系漫画のようなベタ塗り」から「細い線を多用して影を強調する絵」に変わっているというところか。単行本前半と後半で、同一人物の絵柄を見ればすぐに分かるはずだ。現在連載中の続編では全般的に後者が採用されているので、描き手の方針が変わったのだろう。個人的には前者の方が読みやすかったので、少々残念な話ではある。
中には「薄っぺらい内容で軽薄感しかない」と断じる人もいるようだが、ハードルの低さと軽薄感とは表裏一体のようなもの。不特定多数の人が目に留めやすい、理解しやすいものを作るには、「ある立場の人から見れば軽薄さを感じるようなもの」で無ければならないこともある。「マンガでわかる株式投資! 女子高生株塾」はまさにそんな一冊といえよう。
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