「何これスゴい」と誰もが目を向ける広告たち-その2
2009/04/21 04:35
先に【「何これスゴい」と誰もが目を向ける広告たち】でイギリスの大衆紙DailyMailオンライン版にて紹介されていた、世界の「ステキな広告たち」の一部をのぞいてみた。その記事の執筆時に見つけたサイト【UADDit】で、先のDailyMail掲載分にも勝るとも劣らない、クリエイティブかつ(個人的に)「素晴らしい!」と思える広告の数々を発見。今回もそれらの中から、とりわけ「イイね、これ」と思えるものを4つほどチェックしてみることにする。
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まず一つ目はドイツの園芸用品メーカーセラミス(SERAMIS)の広告。Agency Scholz & Friends社の製作だそうな。
突き抜ける竹。「ものすごい肥料力だ」というわけではなくて……
下のほうに小さく「セラミス」という社名の看板が立ててあることからも分かるように、「セラミスの肥料は驚異的。こんなにも竹を大きく出来ますよ」ということをアピールしている。もちろんこの竹はペイントしただけのもので、ホンモノの竹ではない(ひび割れ部分も同様)だが、一見すると「なんでこんなにでかい竹が?!」と思い、つい足元の看板に目が行ってしまうわけだ。
次は、ぜひとも日本のメーカーにも検討して欲しい広告。
「飲んだら乗るな(Don't Drink and Drive)」
ビールの王冠部分の広告。表面部分には自動車が描かれている。栓抜きでフタを開けると裏面に「飲んだら乗るな(Don't Drink and Drive)」のメッセージ。あらためて王冠を見直すと、フタを開けた時に加えた力で凹んでしまい、事故を起こした自動車を連想させる。飲酒運転を強くいましめるもので、非常に効果が高いものとなるだろう。
続いてカメラ関係のを二つまとめて。
ソニーのCyber-shot T1。「マンホールのフタのスキマに入るほど」の薄さをアピール
カメラの有名どころ、ライカの広告。ズームアップの性能の高さをアピール
一つ目はソニーのデジカメ、サイバーショットT1の薄さをアピールしたもの。マンホールのチョークで「すげぇ薄型、ソニーのサイバーショットT1」と書かれてあり、その横にストラップだけが挟み込んである。これを見た人はストラップの先にT1があると思い、そしてその薄さを想像して驚く、という仕組み。元記事では「こんなことしたら、誰かが本当にストラップを引っ張っちゃうんじゃないかな」と心配しているが、当方もそう思う。
一方二つ目はスイスの広告で、ライカの光学ズームを宣伝したもの。単に背景部分を大きく引き伸ばして看板にし、貼り付けただけなのだが、これに「光学ズーム12倍・ライカ」とカメラの写真を小さく貼り付けるだけで、カメラの広告に早代わりする。なるほど、確かにカメラ越しにズームアップして壁を見ているような雰囲気になる。
最後は「誰でも雑誌の表紙を飾るスーパーモデル」になれるビーチマット。発想の転換というか、すぐにどこかが真似をしそうな感じ。
これであなたもスーパーモデル!?
男性誌プレイボーイ(日本の「週刊プレイボーイ」ではなく本家のPLAYBOY)の表紙は、毎号水着姿のスーパーモデルが原色に近い背景を背に、粋な姿勢&読者を刺激する視線を向けたビジュアルを採用している。そこで背景部分(原色の色地とタイトル、各種メッセージ)のビーチマットを作り、その上に横たわることで簡易「スーパーモデルの表紙」が出来上がり、という寸法。観光地によく見られる、顔だけを出して記念写真を撮るための書き割りのようなものだ。
雑誌そのものの宣伝になるのはもちろんのこと、横たわる女性自身もまんざらではないという、みんなが喜ぶ素晴らしい広告の好例。
元記事では他にも、タクシーのトランクからのぞき出る腕や、玄関の防犯レンズに貼り付けてピザ屋やかわいいお姉ちゃんを偽装する「新開発のメディア」なるものも紹介している。これはこれでインパクトがあるが、使われた方はあまり良い思いをしない可能性もあり、今回はチェックを見送った。やはり広告は披露したい対象を大きくアピールするだけでなく、見た方も微笑んだり、ユカイな気持ちになれるものが望ましい。
あまりにも商業主義が前面に押し出されると、かえって醒めてしまうもの。しかし今回紹介したような、ちょっとした工夫と発想の転換、最小限の手間で多くの人に驚きと笑顔を与える、そんな広告なら大歓迎といえよう。
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