「そろそろ底かな」マンション購入意識に変化が・でも条件には厳しい目

2009/04/18 10:05

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価格交渉イメージ不動産関連のマーケティングを行うアトラクターズ・ラボは2009年4月17日、マンション購入に関する意識調査の結果を発表した。それによると調査母体の中ではマンション購入に対するマインドが、「直近では回復基調を見せ始めている」ことが明らかになった。一方で、購入可能物件が「安くても手を出したくない物件」「価格次第で購入を考えても良い物件」に二極化しつつあることも見えてきている(【発表リリース】)。



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今調査はアトラクターズ・ラボが、購入予備群・購入予定者に対する意識や商品選択などの「心理的な観点」を中心に定点観測的に行っているもので、今回が5回目となる。調査対象は同社のサイト「住まいサーフィン」に登録した会員で、直近3か月以内に新築マンションの販売センターに行った経験がある人166件分を対象とし、2009年4月3日から7日にかけて行われている。

調査結果概要としては次の通り。

・物件価格を「高い」と感じる人は36.1%。2008年4月の調査開始以来最低水準で、2008年10月の第3回以降減少傾向が続いている。「安い」とする回答者も11.4%で、こちらも第3回以降上昇傾向。
・1年後の住宅価格への見通しについて、はじめて「さらに下がる」と答えた人の割合が減った(≒上がると思う人の割合が増えてきている)。
・販売センターへの訪問件数や、購入したいと思った物件数に大きな変化は無い。安値感を覚える人が増えつつあるのに購入検討物件数が増加していないことから、「(価格以外の面で)気にいった物件が少ない」傾向が見られる。
・実際に購入した人のうち54.2%は当初の希望価格より金額を上積みしている。希望どおりは41.0%。「気に入った物件ならば多少の金額の上乗せをしても構わない層」「価格への重点度が大きい層」の二分化が見られる。


1年後の住宅価格予想。4回目(2009年1月)まで「下がる」意見が増加する傾向だったのが、はじめて減少を見せている(ただしまだ高水準には違いない)
1年後の住宅価格予想。4回目(2009年1月)まで「下がる」意見が増加する傾向だったのが、はじめて減少を見せている(ただしまだ高水準には違いない)

現在の物件の購入価格についてどう感じているか。3回目(2008年10月)以降「高い」と感じる人が減少を続けている。また、「安い」とする層も増加中。
現在の物件の購入価格についてどう感じているか。3回目(2008年10月)以降「高い」と感じる人が減少を続けている。また、「安い」とする層も増加中。

【2009年2月の新設住宅戸数、前年同月比24.9%減】でも触れているように、住宅市場においては在庫がだぶつきなこともあり、業者側としては「新規住宅の建造で在庫を増やすより、まずは既存在庫の処分を優先させよう」という考えが強い。しかし購入者・購入希望者側からすれば、「どんなに安くても自分が望む条件に合わなければ買わない」さらには「条件に合致すれば(現在の水準なら)多少上積みしてでも買う」傾向が見られることが分かる。

・売り手は多数の手持ち物件を
 一刻も早く売り切りたい。
・買い手は自分の望みの物件を
 できれば安く買いたい。

売れない物件は
いくら値下げしても
売れ残る
売り手は(色んな品質の)手持在庫を先に売りたい、買い手は(自分が好む品質の)在庫を買いたいという、売り手側と買い手側のミスマッチの状況がかいま見られる。元々完全な需給のマッチングは難しいものの、売り手の在庫数が急増している昨今においては、その傾向がますます高まっているようだ。例えるなら、八百屋側が在庫セールスとして「一皿100円」で山盛りのじゃがいも(中には芽が出てきたものや傷がついているものもある)をたくさん用意、どんどん売りさばいていきたいが、お客側はビニール詰めされた4つ100円の新じゃがを買い求めるというところだろう。

じゃがいもならば(もったいないが)廃棄する、あるいは種芋にして畑に植える、という手もある。しかし住宅物件となると1つあたりの単価が高く、同じように廃棄処分にするわけにもいかない。売り手・不動産会社側が抱えるジレンマは続き、買い手・物件購入希望者の市場見極めも市場動向を眺めながら継続していく。今しばらくはお互いの心理戦的な均衡状態が続きつつ、少しずつ環境に変化が生じていくのだろう。



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