【更新】「貯蓄なし」全体の2割に達する

2009/04/18 09:40

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貯蓄イメージ情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアは2009年4月15日、投資運用に関する意識調査結果を発表した。それによると、現在貯蓄がまったくない人の割合は、調査母体内においては全体の約2割に達していることが明らかになった。貯蓄額そのものは年齢が上がるにつれて増える傾向があるが、「貯蓄ゼロ」の割合は年齢階層や性別の違い無く同じような割合の結果が出ており、どの層にも一定割合で貯蓄をしない人・できない人がいることが分かる([発表リリース])。



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今調査は2009年3月27日から4月1日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員(携帯電話による個人認証を利用したもの)に対して行われたもので、有効回答数は364人。男女比は54.4対45.6で、年齢階層比は20代32.4%、30代29.7%、40代37.9%。

ツボやタンスに現金をしまいこむのでない限り、厳密には銀行や郵便局に預貯金をすることも「投資」の一種ではあるが、ここではリスクが極めて低い預貯金(支払い用口座・現金は除く)を「貯蓄」と呼んでいる。その「貯蓄」額について尋ねたところ、全体では78.3%が何らかの形で持っている・あると答えている。逆にいえば21.7%は「貯蓄ゼロ」。

現在の貯蓄額
現在の貯蓄額

データを見ると、20代では「30万円未満」の少額がもっとも多く、30代・40代と歳を経るごとに100万円台などの中堅どころが増えてくる。そして40代では900万円以上の回答者がもっとも多いのが分かる。もっとも「貯蓄」は基本的に少しずつ積み重ねていくもので、時間経過と一回毎の積み増し額が多いほど全体も多くなる。貯蓄をはじめたばかり・手取りが少ない若年層より、貯蓄を継続している・手取りも多い中堅層の方が貯蓄額が大きいのはある意味当然。

ただ、気になるのは「貯蓄ゼロ」の割合がどの年齢層にも2割程度存在していること。貯蓄については過去に厚生労働省の調査結果【平均貯蓄額は1143万円、一方で30歳未満は2割近くが「貯蓄ナシ」】や、マクロミルの【あなた、貯金してます? 20代の8割が「毎月貯金」】にもあるように、年齢を経るごとに少しずつ減少はしているものの、貯蓄がまったく出来ない・しない層が1-2割いることが確認できる。特に後者の記事では「20代でも8割が毎月貯金をしている」と回答しており、貯蓄性向そのものが低いわけではないことを示している。

「貯蓄がゼロ」の意味は3通り考えられる。すなわち

・日々の生活で精一杯。貯蓄する余裕が無い(断念派)。
・貯蓄するくらいなら使い切って生活をエンジョイした方が良い(散財派)。
・貯蓄より投資をした方が良い(投資派)。

である。約2割の「貯蓄ゼロ」層がいずれに属するかは今回の調査からは分からないが、3番目はともかく1番目・2番目の場合には、今後色々と問題が個々に対して降りかかってくることだろう。



「お金」は様々な商品やサービスが形を変えたもの。そう考えると「貯蓄」とは、何らかの出来事に備えて商品やサービスをキープしておく「切り札」、あるいは「保険」のようなものともいえる。

一生何のトラブルにも遭遇せず、また一定額の収入が得られる人なら「貯蓄」は必要ない。財産をたくさん持っている人が医療保険に入る必要が無いのと同じ理屈だ。しかしそのようなうらやましい立場にある人は、ほんの一握りに過ぎない。多くの人は備えが必要。その時になって、後悔してからでは遅い。

そして「貯蓄」は「保険」同様に、将来(いつか)の自分に手渡すプレゼントともいえる。貯蓄する余裕が無い断念派は余裕が持てるように、つい使い切ってしまう散財派は、例えば一定額を自動的に引き落とす積み立て系の預貯金を使うなりして、「将来の自分への贈り物」を用意してみてはいかがだろうか。



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