【更新】「投資しない」 どうしてなのかと 尋ねたら 「知識が無い」のと「リスクは避けたい」
2009/04/17 05:25
情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアは2009年4月15日、投資運用に関する意識調査結果を発表した。それによると、現在投資をしていない人の約2/3は「いくら余裕資金があっても投資をしない」と考えていることが明らかになった。また、その理由としてもっとも多かったのは「投資商品について知識が無い」、次いで「元本割れは避けたい」であり、世間における投資運用の現状認識を推し量れるような結果が出ている([発表リリース])。
スポンサードリンク
今調査は2009年3月27日から4月1日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員(携帯電話による個人認証を利用したもの)に対して行われたもので、有効回答数は364人。男女比は54.4対45.6で、年齢階層比は20代32.4%、30代29.7%、40代37.9%。
厳密には一般銀行やゆうちょ銀行への預貯金も「金融商品」「投資」ではあるが、元本割れリスクが極めて低い(事実上ゼロに等しい)ことから、ここでは「元本割れのリスクが預貯金を超えて存在しているものの、リターンも大きい金融商品」の購入・売却を「投資・運用」と定義する。その投資・運用について、現在行っている人は全体の21.4%。逆に、していない78.6%(286人)に対し、使い道の決まっていない「余裕資金」がいくらあれば、投資・運用をするか尋ねたところ、全体の2/3は「いくら余裕資金があっても投資・運用はしない」と回答した。
使い道の決まっていない余裕資金がいくらあれば、元本割れリスクのある投資・運用をするか
10万円以下でも投資・運用する、という回答者は現状でよほど余裕が無いのだろう。また700万円以上の人は大きな余裕が出てきたらやってみようか、あるいは一部を回そうかと考えているものと思われる。しかしその一方で、年齢階層に関わらず三人に二人までもが「投資はしたくない(からしていない)」と回答している。男女別では女性の方が拒否反応がキツいのも注目に値する。
それではなぜ「投資はしたくない(からしていない)」のか。その回答をした人に限定して理由を尋ねたところ、もっとも多いのは「投資商品について知識が無い」だった。ただし上位3位の項目は投票数が均衡しており、階層で多少の差異はあるものの、実質的には同列の問題・理由と見て良いだろう。
余裕資金があっても投資・運用したくない1番の理由は
特徴を列挙すると、
・男性は「面倒だから」が、女性は「知識が無い」がもっとも多い
・年を経るにつれて「元本割れリスクは避けたい」傾向が強まってくる。40代では理由のトップに
などが挙げられる。男性よりも女性の方が投資に対する情報収集に熱心な傾向があること、中堅層・高齢層になると元本割れのリスクを極端に嫌うことなど、金融商品における一般的な傾向を反映した結果となっている。
「元本割れリスクは避けたい」という意見には一理ある。それがポリシーであるのなら、「元本割れリスク」のある金融商品に挑戦云々というのは無理だろう。一方で「知識が無い」「面倒」の意見の人は、機会が与えられ条件が満たされれば投資・運用にチャレンジしうることを意味する。これらの人たちの意向に応えるため、投資関連の業界側も、さらなる「分かりやすくて誠実な」情報発信・啓蒙運動と、「過不足無い手間で投資が出来るツールや金融商品」の開発が求められよう。
スポンサードリンク