消費意欲 給与上げなきゃ 増えません 高齢者では「政治」や「景気」も
2009/04/16 07:05
ネットマイルは2009年4月14日、消費意識に関する調査結果を発表した。それによると、消費や購買意欲を高めるためにもっとも効果的な方法として多くの人が同意を示した選択肢は「給料の値上げ」がもっとも多く約3割を占めていた。「雇用の創出・安定」や「景気の安定・浮揚」など次点選択肢の2倍以上の同意を得ており、まずは何より直接的な可処分所得の上昇がメンタル的に求められていることが分かる。一方で高齢者ほど「給料の値上げ」の意見が減るなど、所得に対する余裕の世代間格差も見え隠れしている結果ともいえる([発表リリース、PDF])。
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今調査は2009年4月3日から同年4月4日までインターネット経由で行われたもので、有効回答数は500人。男女比は1対1、年齢階層比は20代・30代・40代・50代・60歳以上でそれぞれ均等割当。
景気後退の昨今において、業績不振の企業が多くを占める中、消費者の消費・購買意欲の向上を求める声が相次いでいる。要は「モノが売れないから会社が儲からない。どうにかしろ」というわけだ。消費者からすれば「欲しい物が無いしお金が無いし」というのがホンネのところ。それではどうすれば消費者の消費・購買意欲は高まるのだろうか。設問側で選択肢を用意し、択一方式で回答してもらったところ、全体では「給料の値上げ」(※元資料では「給料の賃上げ」だが二重表現になるので表記を変更)がトップについた。
消費・購買意欲を高めるのに最も効果的な方法は何だと思いますか?
実入りが少なければ節約するしかなく、節約するには消費を抑えねばならない。その逆説で、実入りを多くすれば消費も活発になるという、至極当然な回答がトップについている。
年齢階層別に見ると、いくつか異なった傾向も見られる。「給料の値上げ」は各年齢層で高く、特に30代では4割近くに登っている。しかし40代以降は急激にその割合を下げ、60歳以降になるとわずか1割少々しかいなくなる。一方で「景気の安定・浮揚」は歳を経るに連れて上昇し、60歳以上では(表示項目中では)トップの項目となっている(※レポートにもあるように60歳以上は「政治の全面的改革」が2割弱を占めている)。また、「雇用の創出・安定」は20代と50代で多く見られる。
これらの傾向をまとめると、
・高齢者になるほど「景気の安定・浮揚」や「政治の全面的改革」など自分自身のことではなく周囲の事柄への要望が増加する。
・正社員雇用問題などの荒波にもまれている若年層、そしてリストラや定年退職後の再就職問題の渦中にある50代は、雇用問題が消費を抑える原因となっている。
などとなる。さらに言い換える・付け加えると、「若年層は収入そのものの低さ」「高齢者は周囲環境の悪さ」が消費抑圧の原因と考えるフシが強いようだ。これら年齢階層別の意識の違いは内閣府の調査(【格差社会 政府にどうしてもらいたい? 若い人ほど「努力の成果を!」】)などでも現れており、ある程度地盤を勝ち得た高齢者と、その地盤の構築すらままならない若年層の意識の大きな違いの結果によるものともいえよう。
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