【更新】レバニラ炒めとニラレバ炒めはどう違うのだろう
2009/04/11 17:15


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王将の月替わりフェア告知。「ニラレバ炒め」という表記
「レバニラ炒め」といえば、「天才バカボン」のパパが大好物の食べ物として知られている庶民の定番メニューの一種。血抜きをした牛のレバーをにらやしょうがと一緒に炒めて、塩やこしょうなどで味付けする炒め物。もやしや玉ねぎを入れるなど材料にはバリエーションがある。主に大衆食堂や中華飯店などで食すことができる。
YouTubeから「レバニラ炒め」の調理の様子
「レバニラ」にしても「ニラレバ」にしても、主な食材である「にら」と「レバー」が名前に含まれており、要は「どちらが先か」ということ。上記で挙げた「天才バカボン」では「レバニラ」と表現しており、検索エンジンで検索しても、
レバニラ炒め……30800件 ニラレバ炒め……15000件
・ヤフー
レバニラ炒め……615000件 ニラレバ炒め……173000件
と圧倒的に「レバニラ炒め」が多い。だから「レバニラ」が正解で「ニラレバ」は俗称……というのは安易過ぎる。
そこで言葉の作りについて考えてみる。たとえば「ビーフシチュー」の場合、メインはビーフだろうか、シチューだろうか。もちろん正解は後者。「ビーフ入りのシチュー」であり、「シチュー入りのビーフ」では無い。そしてもちろんメインはは「シチュー」。このようにして考えると、「(A)(B)」という言葉のつくりの場合は「(A)が入った(B)」という意味になる(詳しい表現では、(A)は修飾語、(B)は被修飾語になる)。
この理屈で考えると、
・レバニラ炒め……「レバーが入ったニラ炒め」。メインはニラ炒め。
ということになる。出来上がるものは同じでも、「ニラレバ炒め」はメインがレバー、「レバニラ炒め」はメインがニラ、ということになる。

ただし同程度の質の食材を使っているのなら、当然ニラよりもレバーの方が値は高い。レバーをメインにした「ニラレバ炒め」の方が、ちょっぴり高価な雰囲気が出る。王将で「レバニラ炒め」ではなく「ニラレバ炒め」という表現を使うのも、あるいはこのあたりに理由があるのかもしれない。
ネット上の情報では「本来はニラレバ。ただし天才バカボンのパパは何でも反対で呼ぶのでレバニラと表現するようになり、それが広まって最近ではレバニラの方がよく使われる」というのもある。しかしこれは裏づけが取れないので、今回は「そういう話も聞く」という程度に留めておく。むしろ上記の修飾・被修飾語云々の方がすっきりする。
●余談……「カレーライス」と「ライスカレー」
同じ「順番の違いによる食べ物の名前の差異」では、「カレーライス」が比較対照として挙げられる。現在では「カレーライス」が一般的(上記理論で言えばカレーをのせたライス)だが、お年よりはむしろ「ライスカレー」(ライス付きのカレー)を良く使う。[ハウス食品の説明]や[S&Bの説明]などでは

・時代的にはライスカレーの方が先。明治6年にはすでに「ライスカレー」という言葉が登場している(札幌農学校のクラーク博士による)。一方明治の終わりごろには「カレーライス」も。
・ご飯にルーをかけるライスカレーが庶民的な料理として広がり、その後レストランでポットに入れられて出されるタイプのも登場したが、高級感を出すためにライスとカレーをひっくり返した。
・「カレーライス」が「ライスカレー」を凌駕するようになったのは東京オリンピック前後だとされている。
などの説が挙げられている。
ちなみに[同じくハウス食品の説明]によると、これは「ソースボート」「ゴレービーボート」と呼ばれるもので、元々はソースやローストビーフのグレービーソース用として用いられているもの。それをカレーにも応用したということだ。
さらに、「カレーライス」は「ライスカレー」と呼ぶ事はあっても、「ハヤシライス」を「ライスハヤシ」と呼ぶ事はない。……なんでだろうね?
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