このランキング自身も……!? メディアに振り回されていると思うことランキング
2009/04/11 09:10
検索エンジンgooにおいて実施されていた【メディアに振り回されていると思うことランキング】の結果発表が行われ、第一位には「ランキング上位のものを買ってしまう」がついた。いわゆる「わかっちゃいるけど止められない」の類のもので、大衆心理をあらためて認識させられる結果ともいえる。
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インターネットの普及により、情報の伝達スピードがこれまでとは比べ物にならないほど速くなり、口コミやネット情報をはじめとする「情報」の重要性と意義・意味への再認識・再定義が進んでいる。一方、既存メディアと呼ばれる新聞や雑誌、テレビなどの影響力はまだまだ大きく、いわゆるあおり文句で色々と振り回されたり、惑わされることも多い。現在ほどいわゆる「メディア・リテラシー」(情報メディアを自分自身の立場で読み解き、自分にとって必要な情報を引き出し、それが正しいか否かを見抜いた上で活用する能力)が重要視される時代は無い。
そのような中で行われた今回のランキングでは、「メディアに振り回されているな」と感じる事象のトップには「ランキング上位のものを買ってしまう」がトップだった。セールスランキング上位にあるものは多くの人が買い求めている。良いもの、お買い得なものだから売れて、ランキングに顔を出しているのだろうという認識のもと、つい手が伸びてしまう。さらにダイレクトに「美味しいもの」「品質の良いもの」のランキングだと、良いものを欲しい時に参考にしてしまうものだ。
この方法はメディアに限ったことではなく、個別店舗などでもよく行われる。当方(不破)が学生時代にアルバイトをしていたゲームショップでも、店内セールスランキングの上位のタイトルを参考にしたり、さらには「ランキングトップのソフトを下さい」という注文で購入するお客もいたほど。ランキングはそのまま購買意欲を高める「ラベル」にもなりうる。
テレビの影響力をあらためて実感させられるのが、第二位の「朝の占いの結果を信じてしまう」や第三位の「テレビで放送されたダイエット法に飛びついてしまう」。占いは「世界人口の1/12が同じ傾向を示すわけないだろ」と心の中でツッコミつつ、自分が該当する星座などが幸運だといわれると一日ハッピーになれるし、「要注意」など指摘されると何となく気になってしまうもの。「ダイエット法」については【「バナナダイエット」が市場に与えた影響をグラフ化してみる】でも紹介したバナナダイエット、最近ではオリーブオイルと砂糖水だけで行える「シャングリラ・ダイエット」などが話題。万能なダイエット法など存在しないのだが(そのようなものがあれば、今頃他のダイエット法は壊滅している)、やはりテレビで大々的に報じられると気になるもの。
その他「情報番組のコメンテーターの意見を鵜呑みにしてしまう」や「好きなタレントは今旬のタレントである」など、日本人(に限らず、なのだが)「集団心理」(多くの人がある行動をしていると、自分もしたくなる・しないといけないと感じてしまう)や「服従意識」「お上の言うことには逆らえません」(権威あるものと判断している対象が発する情報は無条件で信じ込んでしまう)が色濃くにじみ出ている結果といえる。元々日本人の性質ということもあり、また基本的に「その方が楽」なのだから、ある意味仕方ないのかもしれない。
ちなみに、ランキングを見て「?」を頭に思い浮かべた人も少なくないと思うが、ランキング上には政治や経済に関するメディアの現状の対応が一切登場しない。昨今のメディアの姿勢を見ればむしろトップに来ても良い事柄なのに、10位にも含まれていない。ランキングのコメント欄にもそれを指摘する意見が多数寄せられており、「ありえない」という意見が半数近くを占めている。実はこのランキングそのものもまた、「振り回している」側なのかもしれない。
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