格差社会 政府にどうしてもらいたい? 若い人ほど「努力の成果を!」
2009/04/08 12:10
内閣府は2009年3月31日、社会意識に関する調査結果を発表した。それによると日本におけるいわゆる「格差社会(経済的・資産的格差)」の形成において、どのような政策が必要かという問いに対しては、全体では「税、社会保障を中心に対応を強化すべき」という公平さの強化を目指すべきという回答がもっとも多く、4割近くを占めていることが明らかになった。一方年齢階層別に見ると若年層ではむしろ「所得向上への努力に対する側面的支援を中心に対応を強化すべき」という成果主義的政策を求める声が強く、世代間の意識の違いが色濃くにじみ出る結果となっている(【発表リリース】)。
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今調査は2009年1月22日から2月8日まで、層化2段無作為抽出法で選ばれた全国20歳以上の人1万人を対象に調査員による個別面接聴取で行われたもので、有効回答数は5890人。男女比は2746対3144。年齢階層比としては30代-60代はほぼ同数だが、70歳以上がやや少なめ、20代は他の年齢層と比べて約半分の回答数となっている。
現在の社会における国民一人一人の収入や貯蓄、不動産など、経済状況の違い、一言でまとめると「(経済的・資産的)格差」の問題についてどのような政策が必要だと思うか聞いたところ、全体としては「税、社会保障を中心に対応を強化すべき」という公平さの強化を求める声がもっとも強かった。
「(経済的・資産的)格差」の問題についてどのような政策が必要だと思うか
全体としては公平さの強化がもっとも多く、次いで「努力成果が活かさせる制度改善」という成果主義的な対応の強化を願う声が多い。去年と比べると公平さの強化に対する意見がやや増加しているなど、詳しく区分した特徴を列挙すると次のようになる。
・男性よりも女性の方が「経済格差」への対応について何をするべきかつかみきれていない人が多い。
・若年層は「公平さの強化」より「努力の成果が反映される仕組みの強化」を求める声が強い。しかし40代になると「公平さの強化」の声の方が強くなる。
・高齢者になるほど「公平さの強化」を求める声は強くなる。ただし50代以降は「分からない」とする意見も増え、70歳以上では「公平さの強化」「努力の成果が反映される仕組みの強化」双方に迫る勢いを見せている。
努力に対する成果が欲しい
(能動的)
・高齢層
現状における公平感が欲しい
(受動的)
これを「今後努力できる度合い・年数の差による違いから生じたもの」「高齢者ほど『経済的格差』では比較的上位の立ち位置にあるから」と断じるのはリスクが高すぎるが、前者が「積極的・能動的」なのに対し後者が「受身・受動的」であることを考えると、現在「社会に活力が欠けている」とする意見の一因がそれとなく見えてくるような気もしてならない。
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