東京23区のハイグレード高額賃貸住宅ランキング
2009/04/07 04:20
アトラクターズ・ラボは2009年4月3日、東京23区内における賃貸マンションのシリーズ別相場割高度調査の結果を発表した。それによると、周辺の平均相場賃料より割高で提供されている、いわゆる「ハイグレードな高額賃貸住宅」のトップには、森ビルの「ヒルズ」がついた。周辺相場より約3割の割高感が見られるという(【発表リリース】)。
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今調査はアトラクターズ・ラボが自社の賃貸住宅データベースを用い、東京都内23区の主なマンションシリーズの賃料が周辺相場よりどの程度高いのかを独自の賃料査定システムで調べたもの。対象となったのは4474棟で、うちサンプル棟数10件以上のブランドをランキング対象としている。
割高度、すなわち「相場割高度」は、各物件賃料を周辺の類似事例と比準し、面積・立地・築年・礼金月数などで補正を行った相場賃料に対して、その差異を%で表現したもの。例えば10%と表示された場合は、相場より1割高い賃料設定をしており、それだけハイグレードということになる。
この計算結果によると、もっとも「相場割高度」が高いのは森ビルによる「ヒルズ」で32.9%。約3割ほど割高であることを示している。
東京23区賃貸マンション・シリーズ別賃料相場割高ランキング(トップ10)
続いてレオパレス21による「レオパレス」シリーズの27.4%。ここまでが2割以上の値を示し、以下「ラ・トゥール」「イプセ」「デュープレックス」などが続く。元資料には27位までのデータが掲載されているので、詳しくはそちらで確認してほしい。
ちなみに、試しに【六本木ヒルズレジデンス】(住居部分)で部屋を借りるとなると、記事執筆時点で空き室があり、もっとも安い場所がレジデンスBの1R(ワンルーム)で29万円、もっとも高いところになるとレジデンスCの4BR(ベッドルーム)+S(書斎)で520万円(それぞれ月額め管理費込み)。まさに「あなたも私も知らない世界」である。
なおこれらのハイグレードな賃貸住宅は、リリースにもあるように「既存ストックよりもハイグレードな物件をシリーズ化し、ブランド戦略を行うことにより、相場よりも高い賃料帯」を形成しているもの。上位にランキングされている住宅はいずれも設備が充実しており、まさにハイソな住宅地域を形成している。
一方で【20万円・70平方メートルが境界線! 東京23区内の賃貸住宅家賃の変化は二極化へ】にもあるように、高級賃貸住宅の類は空き室率の増加で家賃更新時における下落率が高まる傾向を見せている。「高価な住居環境と高度なサービスの提供で、周囲の平均一般賃貸料よりも割高な賃貸料による賃貸住宅を運営する」スタイルは、昔と比べると難しくなってきているのかもしれない。
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