日本を誇りに思うこと・トップは「美しい自然」、経済面などで減少傾向

2009/04/01 07:50

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日本の誇りイメージ内閣府は2009年3月31日、社会意識に関する調査結果を発表した。それによると、日本の国や国民自身について、「誇りに思うこと」としてもっとも多くの人が賛同した選択肢は「美しい自然」であることが明らかになった。次いで「長い歴史と伝統」「すぐれた文化や芸術」などが上位についている。全体的にはこれらの項目はこの10年間に少しずつ(意識としては)向上する傾向にあるが、前回(2008年2月)の調査と比べると「長い歴史と伝統」や、「経済的繁栄」「社会の安定」「国民としてのまとまり」の点で減少傾向を見せているのが気になる点として挙げられる(【発表リリース】)。



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今調査は2009年1月22日から2月8日まで、層化2段無作為抽出法で選ばれた全国20歳以上の人1万人を対象に調査員による個別面接聴取で行われたもので、有効回答数は5890人。男女比は2746対3144。年齢階層比としては30代-60代はほぼ同数だが、70歳以上がやや少なめ、20代は他の年齢層と比べて約半分の回答数となっている。

日本の国や国民について、誇りに思うことはどんなことか聞いたところ、選択肢の中では「美しい自然」を挙げた人がもっとも多く50.9%と過半数に達していた。

日本の国や国民について、誇りに思うことはどんなことか(今回と前回との比較)
日本の国や国民について、誇りに思うことはどんなことか(今回と前回との比較)


日本の国や国民について、誇りに思うことはどんなこと(上位五項目について)
日本の国や国民について、誇りに思うことはどんなこと(上位五項目について)

次いで「長い歴史と伝統」「すぐれた文化や芸術」など、過去から伝えられてきた「日本そのもの」の営みを実感できる項目が上位についている。ついでややポイントは下がるが「治安のよさ」「自由で平和な社会」など現在の状況への感想、「国民の勤勉さ、才能」「国民の人情味や義理堅さ」などの国民性が目に留まる。

上位五位の選択肢を過去9年間までさかのぼった折れ線グラフで見ると、「治安のよさ」以外はほぼすべて漸増していることが分かる。「治安のよさ」は2005年までは急激な下降線を描いており、治安の悪化が懸念されてはいたが2006年以降は回復基調にある。

気になるのは冒頭でも触れたが前回調査と比べ、「長い歴史と伝統」「経済的繁栄」「社会の安定」「国民としてのまとまり」の項目が減少していること。今調査の別項目「不満に思っていること」でも「経済的なゆとりと見通しが持てる」「働き方を選択しやすい」の2項目において大きく不満度が上昇しており、「経済と雇用」の問題点に不満が高まり、それが「国民としてのまとまり」「長い歴史と伝統」に影響を与えていることが懸念される(あるいは逆、と考えればつじつまがあう部分もあるかもしれない)。

ともあれ、「経済は経済、心境は心境」と割り切る事は難しく、どうしても互いが影響を及ぼしやすいもの。心が貧しければふところも貧しくなりやすいし、逆もまた真なり。早期の景気回復を願いたいところだ。



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