百貨店 衣料品客離れていく 行き着く先はモールとネットに

2009/03/31 04:30

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百貨店イメージマイボイスコムは2009年3月24日、百貨店の利用に関する調査結果を発表した。それによると、百貨店で購入するのを止めて他の店舗を利用するようになったサービスや商品として、もっとも多かったのは「婦人服」であることが明らかになった。その他「紳士服」や「ファッション雑貨・小物」など、衣料品関連が多くを占めていることが確認できる。昨今の百貨店・デパート・スーパーに共通する問題点「衣料品・住関品の不調」があらためて分かる結果と言えよう(【発表リリース】)。



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今調査は2009年3月1日から5日の間にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1万5606人。男女比は46対54で、年齢階層比は30代36%・40代29%・50代以上19%など。

当サイトでは百貨店の月次売上は追跡していないが、内情はデパート・スーパーなどのチェーンストアとほぼ同じで、「食料品」が横ばい、あるいはやや堅調に推移しているものの、「衣料品」「住関品」は状況が悪化の一途をたどっている。【デパート不調のもう一つの理由・アウトレットモールの魅力を探る】【消費スタイル調査から読み解くデパート不調の原因】で解説したように、その主要因が「インターネット」と「ショッピングセンターやアウトレットモール」にお客を奪われてしまった・それらと相対的な魅力に欠けるようになってしまったのはすでにご存知の通り。

実際、今調査においても「購入や利用先を百貨店から他の店舗に変えた商品・サービス」の上位に「衣料品」「住関品」、とりわけ「衣料品」が多く名前を連ねているのが分かる。

購入や利用先を百貨店から他の店舗に変えた商品・サービス
購入や利用先を百貨店から他の店舗に変えた商品・サービス

特に「衣料品」の
客離れが顕著
例えば「婦人服」。実に2割の人が百貨店の利用を止めてしまったと答えている。「紳士服」も1割5分、「ファッション雑貨・小物」も1割。単純に考えてもそれだけ「衣料品」の売上が減る計算。「惣菜・弁当」などが比較的上位にあるが、他の食品系はあまり見受けられない。

上記結果では「売上が減った商品」の確認が出来るが、次のデータ「百貨店からの乗り換え先」では、百貨店(≒デパート、スーパー)からどこにお客が流れたかが分かる。これもほぼ予想通り、「モール」と「インターネット」が際立っている。

百貨店からの乗り換え先
百貨店からの乗り換え先

もっとも多いのは、百貨店と同じく「リアルでの買い物先」として身近な存在の「ショッピングセンター・モール」。実に過半数の人が移行している。そして20ポイントほど数を減らしてはいるが、「百貨店から離れた」人の三人に一人は「オンライン専門ショップ」での購入を選んでいる。「一般スーパー」や「ディスカウントストア」「100円均一ショップ」は前々から存在し、百貨店などのライバルとして位置づけられていたが、昨今ではこの「ショッピングセンター・モール」と「オンライン専門ショップ」、そして「アウトレットモール」の影響が大きいことが分かる。



これらのデータはあくまでも百貨店のもので、チェーンストア(デパート・スーパー)のものではないが、一般消費者に「デパートと百貨店の違いって何?」と質問しても明確な答えが出せる人が少ないことからも分かるように(※実際にはあまり大きな違いは無い。日本百貨店協会への加盟の有無という話もあるが、日本チェーンストア協会に加盟している大規模店舗で展開する総合小売業者がデパート、日本百貨店協会に加盟している大規模店舗で展開する総合小売業者が百貨店、というあたりで良いだろう)、現在おかれている状況においてはほぼ同じ。

客が流れた先は当然お客が増え、盛況さを見せている。それらの店と自らの違いの認識をした上で、百貨店(やデパート、スーパー)はどの商品を購入しようとしたお客が、「なぜ自らから離れていったのか」を考えてみなければならないのだろう。



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