2月は40件・宇都宮市東図書館で新聞盗難相次ぎ、過去の新聞の閲覧を中止へ
2009/03/30 07:45


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ところが2月に入ってから新聞の不明件数が急増。2月には約40部が被害にあった。時には一日で5日分が盗まれることもあり、職員の巡回を増やしたものの、ずっとその場に張り付くこともできず、状況の改善は見られなかった。そこで2月26日からは当日の新聞は持ち去り難いようにと、新聞の縦幅の長さがあるクリップで固定。しかしバックナンバーは以前のままだったため被害は一向に減らず、最終的には「閲覧したい人はカウンターで請求」する処置をとらざるを得なくなったという。
元記事には状況を示す写真が掲載されているが、そこには、
というメッセージの張り紙と共に、がらんとして何も入っていない棚の写真が映し出されている。諸般事情で写真そのものを転載することはできないが、この写真が今件問題の寂しさ、悲しさを物語っている。
景気後退で新聞を取れなくなったから云々というのなら、去年から被害は増加していたはずだが、元記事によれば今年の2月から。しかも増加数が5部から40部で、確率的・傾向的に不特定多数によって盗難が増えた云々ではなく、特定少数が意図的に「抜いている」ことが容易に想像できる。
【「本が泣いている……」図書館の書籍を切り抜き書き込むマナー違反な人が増えている】や【相変わらず続く図書館蔵書の切り抜きや落書き、「いけないんですか」と罪の意識もない意見も】にもあるように、公共の場で「公共の所有物」を集めた図書館で傍若無人な行動をする人が増加の一途をたどり、【日本図書館協会】でもその状況を憂いている。やはりこれも、「相変わらず続く図書館蔵書の切り抜きや落書き-」にもある、速水敏彦・名古屋大大学院教授の指摘、すなわち
「幼少時からの教育が重要なのに、親がルーズなため、家庭できちんとした教育を受けていない人が少なくない。給食費を払わなかったり学校に非常識な要求をしたりする保護者と根っこは同じ。学校より、家庭の問題だ」
が問題の根本にあるのかもしれない。
新聞の閲覧場所における盗難防止については、人海戦術が無理ならば銀行やマンション入り口などにあるような監視カメラを使うなどの工夫が必要になるだろう。そして東図書館に限らず図書館などの公共の場でこのような行為をすることへの問題、そしてしたことへのペナルティがどのようなものなのかをはっきりと啓蒙させ、「してはいけないことだし、したらこんな罰を受ける」という事実を明確にする必要があるに違いない。
恐らく「当事者」は悪気などは無いだろうし、見つかるとも思っていないだろうし、見つかってもほとんどおとがめなしだと考えているのだろうから。
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