【更新】Wikipedia系のウェブ百科事典が「テレビ」「ラジオ」に次ぐ信用度・1年で大きく変わるメディアの立ち位置
2009/03/18 19:50
ヤフーバリューインサイトは2009年3月17日、情報メディアの利用度や信用度に関する調査結果を発表した。それによると、1年前の調査時点と比べて各メディアに対する「利用度」「信用度」「将来の利用意向」が大きく変化していることが明らかになった。例えば今回独立項目として新たに設定されたWikipediaが信用度の点では「新聞」「ラジオ」に次ぐポジションを確保するなど、大きな時代の流れを予見(実感)させる内容となっている([発表リリース])。
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今調査は2008年12月18日から19日にかけてインターネット経由で15歳から59歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女比は1対1で年齢階層比は10歳刻みで均等割付(10代は15-19歳)。なお類似調査は2005年以降毎年、ほぼ同じ時期に行われている。
今調査の目玉は、主要メディアを「利用」「信用」でXY軸に、各円の大きさを「今後の利用意向」で形作った「各メディアの立ち位置図」にある。これを前回の調査と今回の調査それぞれについて眺め見たのが次の図。
「各メディアの立ち位置図」(前回調査……2007年12月実施)
「各メディアの立ち位置図」(今回調査……2008年12月実施)
各メディアの立ち位置の去年からの変化(目算、△がプラス・▼がマイナス。-は今年初めて登場した項目)
今回(ウェブ)メディアの進化・分化に伴い、いくつかの項目が新設されているが、それらの中でも特に注目を集めているのが、Wikipediaに代表される「利用者が編集可能なフリー百科事典」。場所そのものはポータルサイトや新聞などの影に隠れてしまっているが、信用度では「新聞」「ラジオ」についで三位(円の中心部分で見ること)、利用度ではが「テレビ」「検索エンジン」「ポータルサイト」「新聞」についで五位、今後の利用意向は「検索エンジン」に次いで二位と、非常に興味関心を持たれている分野であることが確認された。
一方で時代の寵児ともてはやされていた「SNS」は今後の利用意向が縮小しており、「3Dリアルタイム仮想世界」もその立ち位置をほとんど変えずに今後の利用意向が落ち込んでおり、何かインパクトのある事象でも起きない限りこのまま衰退に向かう様相を見せている。
また、昨年は急激な成長が期待された「Q&Aサイト」も利用度、今後の利用頻度共に急激に減退している。利用者の一部が「利用者が編集可能なフリー百科事典」に流れ、他は飽和状態に陥った(あるいは「量」の過剰さと「質」がそれに追いつかない)ことに対して一歩引く態度を見せているのだろうか。
なお前回の発表時には詳しいデータが掲載されていたこともあり、【従来四大メディアとポータルサイトの利用度大幅に低下・動画投稿サイトが大きな勢力に】【10代は動画投稿サイトが大好き!! 年齢階層別に見た「従来四大メディア」と新情報メディアのせめぎ合い】【動画投稿サイトVSテレビ! 主要メディアの立ち位置変化を年齢順で見てみる】などで、主に年齢階層別のメディアとの係わり合いを細かく解説できた。
今回の資料では前回と同じ視点のデータは掲載されておらず、主にウェブメディアがどのように利用されているかに関する調査報告が行われている。残念ながら去年との比較は断念せざるを得ないが、今回掲載分のデータについても、機会があれば少々掘り下げて確認していくことにしよう。
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