「景気の落ち込み」感じている人9割強、定年前の高齢者ほど強く感じる傾向に
2009/03/15 09:55
ネットリサーチのディムスドライブは2009年3月12日、「景気」に関するアンケート調査の結果を発表した。それによると「身近なところで景気の落ち込みを感じているか」という問いに対し、強度の違いはあれど感じている人は9割を超えていることが明らかになった。さらに年齢階層別では定年前の高齢者ほど強く景気後退感を実感しているという結果が出ている。ただし定年退職後の人も含めた60代以降になると逆に減少するという、不思議な現象も見られている(【発表リリース】)。
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今調査は2009年1月28日から2月11日にかけてインターネット経由で行われ、有効回答数は1万0233人。男女比は50.2対49.8で、年齢階層比は30代33.2%・40代29.9%・50代16.1%など。
具体的な条件は明示されていないので、「近所のお店が閉店した」「自分の仕事先で残業が止められた」「給与が減らされた」といった状況が想定できる「身近なところ」で、「景気の落ち込みや不況を実感できる」か否かについて尋ねたところ、「かなり感じている」の49.3%をはじめ、度合いの違いはあれど「景気の落ち込みを感じている人」は92.8%に達した。
景気の落ち込み・不況を、身近なところでは、どのくらい感じていますか
男女別ではやや男性の方が強く景気後退感を持つようだが(図は略)、これを年齢階層別に見ると興味深い結果が出ている。
景気の落ち込み・不況を、身近なところでは、どのくらい感じていますか(年齢階層別)
可処分所得の大きい高齢者ほど景気後退感を強く感じ、その割合は年齢が高くなるほど大きくなる傾向がある。例えば50代の「かなり強く感じる」感は10代の2倍以上、20代の7割増という計算になる。住宅ローンや教育費などの負担はあるが、手取りの面など経済的には若年層と比べて落ち着き、安定しているはずの中堅-壮齢者の方が景気後退感の感じ方が強いのはどうしてだろうか。
景気落ち込み感も強く感じている。
ただし質問の設定上、「身近」が実体験によるものだけでなく、伝聞(クチコミ、報道、ネット上での表記)なども含まれていることを考えると、この「景気落ち込み感の違い」は奥が深い問題のようにも思える。
気になるのは冒頭でも触れたように、この「歳がかさむと景気後退感も強まる傾向」が、60代以上になると止まり、逆に減少する傾向を見せていること。職場を離れることにより、職場がらみの不景気感からは脱することが、不景気に関する心境を和らげているのかもしれない。
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