新聞社のウェブサイトを見る人、全体では3割近く・30-40代は4割前後にも
2009/03/15 09:45
財団法人新聞通信調査会は2009年3月6日、「メディアに関する全国世論調査」の結果を発表した。それによると、新聞社が運営しているウェブサイトを閲覧する人は全体では3割近くに及ぶことが明らかになった。閲覧方法としては自宅や職場のパソコンで観る人が多く、また年齢階層別では30-40代がもっとも見る人が多い傾向がある。一方で50代以降は閲覧割合が急激に減り、70代以上になると1割にも満たないという結果が出ている(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2008年12月に住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって選ばれた18歳以上の男女個人3000人に対して専門調査員による訪問留置法で行われたもので、有効回答数は1906人。男女比は47.7対52.3で、男女比は30代以上が10歳ごとにほぼ均等割当、18-19歳と20代はやや少なめとなっている。(18-19歳が44人、20代220人など)。
インターネットによる情報配信が盛んになり、各新聞社も独自のサイトを立ち上げて自社新聞の情報を一部流したり、速報性の高い情報を新聞に先行する形で提供している。閲覧者数は増加しているものの、それが新聞そのものの収益減少を補てんするまでには至らず、各新聞社とも新しいメディアへ進出して裾を広げたり、数社が連合してポータルサイトを作り、魅力をアップさせようと模索している(【当日の新聞を朝刊配達時に! 産経新聞がiPhone向け新聞配信サービススタート】、【日経・朝日・読売共同読み比べサイト「新s(あらたにす)」本日オープン】など)。
それではそれら新聞社のウェブサイトはどれだけの人が閲覧しているのだろうか。絶対数ではなく割合を調べたのが今回の調査項目。全体では「新聞社のウェブサイトを見ている人」は28.5%で、手段としては「自宅のパソコンで観る」人がもっとも多く半数近くを占めていた。
新聞社ウェブサイトの閲覧方法(見ている人のみ・複数回答)
新聞社のウェブサイトの閲覧について
・男性の方が女性よりも閲覧率が高いが、インターネットそのものを使う人の割合にも多分に左右されている。
・年とともにインターネットの利用率は急減少していく。50代以降に特に顕著な減少が見られる。
・20代までは「見ている」割合がほぼ変わらないのに対し、30代-50代は「インターネットを使っている人のうちニュースサイトを見ている人の割合」がほぼ変わらない割合を示している。
・60代以降になるとインターネットの利用者そのものが急激に減り、それ以上に「インターネット利用者のうちニュースサイト閲覧者をしめる割合」も減る。
40代までは「新聞社ニュースサイトを観る人の割合は4割程度」という傾向が維持されているが、50代以降は急激に減り、70代以上では1割を切る値を示している。しかしこれを「インターネットを使う人に対する新聞社ニュースサイトを観る人の割合」で考えると、30代-40代がもっとも多く利用している計算になる。若年層は「全体に占める」割合では他の年齢層とさほど変わらないものの、インターネット利用率そのものが極めて高いため、「インターネット利用者に占める新聞社ニュースサイト閲覧率」は低くなる計算になる(グラフでは「緑」+「黄」における「緑」の割合)。
新聞社サイト閲覧者」は
30-50代では約半分。
紙媒体の新聞を愛読する高齢者が、新聞社のサイトを閲覧しないのはひとえに「インターネットそのものからの忌避」が原因。高齢者のインターネットの普及率が向上すれば、自然に新聞社のサイト閲覧率も高まるものと思われる。パソコンよりも操作もしやすく単体で機能が完結する、携帯電話による利用者の増加が今後期待されよう(もちろん文字や入力機器の大きさなどの問題もあるが……)。
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