専用4割・子ども向けも4割……小学生にも浸透するケータイワールド
2009/03/04 19:40
gooリサーチと三菱総合研究所は2009年3月3日、小学生の携帯電話利用に関する調査結果を発表した。それによると、「自分専用の」携帯電話を持っている小学生は調査母体の4割強を占めていることが明らかになった。これは前回(1年前)調査と比べて10ポイント近く増加しており、携帯電話の普及が確実に進んでいることをうかがわせる内容となっている。また同時に、子ども向けの携帯電話の普及率も5%ほど拡大しており、普及率のかなりの部分を子ども向け携帯電話がになっているのではないかという推測も成り立つ(【発表リリース】)。
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今調査は子ども向けポータルサイト「キッズgoo」上にて2008年12月3日から12月22日にかけて小学生を対象に行われたもので、有効回答数は683人。男女比は14.6対85.4と圧倒的に女子が多く、学年階層比は6年生41.3%・5年生30.6%・4年生17.9%など、高学年の割合が多い。
防犯目的で、あるいは子ども自身が(色々な理由から)持ちたいという希望に応える形で、小学生の子どもに携帯電話を持たせる保護者はどれくらいいるのだろうか。その一端が分かるのが、今回行われた「持つ側」の立場にある小学生へのアンケート結果。「使っていない」という回答は34.0%で、それ以外の小学生は何らかの形で携帯電話を持っているか使用している(必要な時だけ親に借りる、という場合もある)ことになる。
携帯電話の利用状況
比較調査が1回分しかなく、「継続的な傾向」と見なすのには材料が足りないが、少なくとも昨年と比べれば「使っていない」人の割合は減り、何らかの形で使う人は増えている。しかももっとも増加ポイントが大きいのは「自分専用のを使っている」で8.9ポイント。1年間で1割近い増加を見せたことになる。
似たような調査は別の調査機関などで多種多様に行われているが、【「自分専用の携帯電話を持ったのは中学生時代」が半数以上のケータイ事情】によれば、小学生時代に自分の携帯電話をはじめて持った人は1割後半から2割前後。これらと比べるとやや割合が大きいようにも見えるが、当時と比べると1年以上の年月が経過していること、調査母体を見れば分かるように「保有率が高めな」高学年が占める割合が多いことを考えると、あながち「ぶれている」とも言い切れない。C-NEWSやマイボイスコムあたりで、過去から数回にもわたった時系列的なデータがありそうな気もするのだが、これはまた機会があればということで。
ともあれ、全体では4割強の小学生が「自分自身」「兄弟姉妹で共有して」携帯電話を所有していることに違いはない。そこでどのようなタイプの携帯電話を持っているかについて尋ねた結果が次の図。
持っている携帯電話の種類
【NTTドコモ(9437)】の【キッズケータイ】シリーズのように、携帯電話各社からは子ども向けに色々と機能を制限・追加した携帯電話が発売されている。いわば「子ども向け専用ケータイ」を持つ小学生の割合も1年の間に4.5ポイント増加しているのが分かる。どちらかといえば小学生を含む子どもは「子ども向け」のアイテムを好かない傾向があるのだが、事情が事情なだけに子ども側も了承しているのだろう。もちろん保護者から見れば、「携帯電話には色々リスクがあるけど、子ども向けだったらある程度安心できるわ」という安心感を得られるのが大きなメリット。
現時点では4割「子ども向け」6割強が「大人と同じ」。だが、フィルタリングの面倒くささなどを考えると、将来的には両者の関係が逆転し、「子ども向けケータイ」の方が所有率が高くなることもありうる話だ。
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