個人投資家が日本株式に求める配当利回り、平均すると2.8%
2009/03/04 07:58
【野村證券(8604)】の金融経済研究所は3月3日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2009年2月計測分、PDF】)。それによると、個人投資家が日本株式に期待している配当利回りは平均で2.8%であることが明らかになった。内訳を見ると無配でもかまわないとする意見がある一方、5%以上を望む意見も1割を超えるなど、配当利回りへのニーズは多種多様に及んでいる。
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今調査は1000件を対象に2009年2月19日から20日に行われたもので、男女比は72.4対27.6。年齢層は40歳代がもっとも多く33.0%、ついで30歳代が23.7%、50歳代が21.5%など。金融資産額は1000万円-3000万円がもっとも多く20.9%、500万円-1000万円が20.8%、200万円-500万円が20.8%と続いている。1銘柄あたりの保有期間は2年から5年未満がもっとも多く30.5%を占めている。次いで5年以上が23.4%、1年から2年未満が18.1%。投資に対し重要視する点は、安定した利益成長がもっとも多く49.9%と約半分を占めている。ついで配当や株主優待が27.9%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めている。
「配当利回り」とは一般的に、年間の配当額を取得時株価で割ったもので、要は「投資額に対してどれだけ年間のリターンが得られるか」を意味する。預貯金の場合は利子率がそのまま配当利回りになると考えれば良い。最近では株価の低迷で、相対的に配当利回りが上昇する傾向にあるが、「個人投資家」が「日本株式」に期待する配当利回りはどれくらいなのだろうか。最多意見は「2%以上3%未満」の層で、28.4%を占めていた。
個人投資家が求める日本株式への配当利回り
仮に各回答層の平均利回りをそれぞれ上下限の真ん中(例えば1%以上2%未満なら1.5%、5%以上は6.0%)として全体的な平均を計算すると2.8%になる。回答の片寄り的にもこの値が妥当だろう。一方、リリースにもあるとおり2009年1月末時点における東証1部企業の単純平均配当利回りは2.59%であり、投資家らが求める利回りはほぼ満たしていることになる。
なお注意して欲しいのは、利回りの計算はあくまでも「その時点における」株価・配当予想が元データ。自分が取得した株価が高ければ、いくら株価が下がっても「自分自身の」配当利回りは下がらない。また、減配や無配が行われれば、当然利回りは減少する。ファイナンス系のサイトでは配当額変更の反映が遅い場合があり、見た目では超高利回りのように見えても、該当企業の公式サイトで確認したら減配して利回り魅力が落ちてしまう場合もある。また、業績などから「どうみてもこの配当は出せないだろう」という企業も少なくない。
単純な利回りだけで銘柄を選んでいると、時として痛い目にあうこともある。くれぐれもご用心を。
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