当サイトなどで利用しているドメインについて
2009/02/28 16:00
先日一言掲示板にて当サイトが使っているドメインやサーバーの状況について問い合わせがあった。今年の1月下旬(傾向は昨年の12月頃から見られたのだが……)以降どたばたしていたサイトの一部移転や体制変更などもあわせ、中には混乱をしている読者の方もおられるはず。そこで「良い機会」ということもあり、Garbagenews.comを含むJGNNが統括しているドメインとサーバーについて、その経緯と現状を簡単ながら説明をしてみることにしよう。
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●Garbagenews.comの成り立ちとマルチドメイン
そもそも当サイト、Garbagenews.comがスタートしたのは2005年9月末。【Garbagenews.comについて】にもあるように、元々JGNN代表が管理していたニュースサイト(掲示板スクリプトYaBBを活用した、初歩的なブログのようなもの)Gnewsが閉じたあと、手持ち無沙汰になっていたgamenews.ne.jpドメインのサーバー上で、ブログシステムのMovableTypeが走ることを知った当方(不破)が場所を借り受け、立ち上げたのがきっかけ。
その後何度かサーバーのプランや容量の変更を行いながらも、サーバー管理会社そのものはF社のもので変わらず。一方、gamenews.ne.jpドメインにリンクする形で(マルチドメイン。同じドメインのように振舞う)garbagenews.comも用いられていた。garbagenews.comでアクセスすると自動的にgamenews.ne.jpと同じように表示できるという仕組みだ。こちらも管理はF社。
それとは別にJGNNではjgnn.comドメインも保持している。こちらはトップページにJGNN関連の説明ページがあるが、その下層に「UONN(Ultima Online News Network)」があり、これがメインのコンテンツだった。しかしこれもUONN管理人の事情により2006年10月頃までは更新を停止。サーバーの能力がもったいないということで、こちらにもMovableTypeをインストールして、こちらには「Garbage-」と名前の付かない(付けにくい)中小サイトを立ち上げる場として用いるようになった。一番最初に導入されたのが【不破雷蔵のレシピ雑記帳】で2007年6月のこと。こちらのサーバーは元々J社だったが、一元管理の方が面倒がないだろうということでこちらもgamenews.ne.jpと同じF社に移行。ちなみに2サーバーは両方とも共有サーバー。
●アクセス増大とサーバーへの負担への心配、負荷分散構想
2008年に入るとアクセスも順調に伸び始め、何度か過負荷によるものと思われる「表示・投稿時の重さ」を感じるようになった。負荷軽減はサイト運営においては死活問題。自分自身も閲覧していて表示が重たいと、それだけで巡回を避けたくなるのが分かっているから。つまり負荷が大きいと「どんなに懸命にコンテンツを提供しても、コンテンツ以外の点で読者を失ってしまう」可能性が生じてしまう。このような状態は極力避けねばならない。
2008年12月には過負荷によると思われるアクセスの一時的制限を確認。サーバー管理会社のF社に尋ねたところ、専有サーバーの導入を薦められた。確かに専有サーバーにすれば、過負荷への心配は極端に減る。しかし導入・維持コストもケタ違いに跳ね上がる。個人レベルで易々と切り替えられるものではない(リスクが高すぎる)。さらに移転時に「データのコンバートは行わない」と断じられたため、(専有サーバーに移行しても)現在のgamenews.ne.jpドメインでの運営の継続性すら疑わしい始末に。
そこで考えたのが、2段階方式による過負荷対応策。まず第1段階として、(半ばサイトタイトルと同じドメインだからという理由だけで維持している)マルチドメインgarbagenews.comを解除し、安価な共有サーバーを借りて割り当てる。そしてそのgarbagenews.comサーバーを「データセンター」こと「画像データ置き場」として用いる。
JGNNの各ドメインと、Garbagenews.comの負荷対応処理構想
この負荷分散方法を採用した理由は2つ。ひとつは(後に説明する)新規更新サイト立ち上げの場所をライブドアブログに選んだ際に大いに参考にした(【Garbagenews.comはライブドアBlogに移転しました】参照)【アキバBlog】をはじめ、巡回している(アクセスが多いと思われる)サイトの多くで利用している方法だったこと。もうひとつは、gamenews.ne.jpサーバーのログを分析したところ、サーバーへのアクセスの1/2-3/5は画像リクエスト(画像を表示するためにサーバーへアクセスすること)だったからだ。これらを別サーバーに移行すれば単純計算でgamenews.ne.jpサーバーへの負荷は半分に減らせる。これが負荷対応処理その1。
アクセス増加が順調に進めば、じきに画像を外に出しても、テキストやその他のCGIなどのみでもgamenews.ne.jpサーバーはアップアップしてくるだろう。そのタイミングはログから逆算すると、大体100万ページビュー/月が平均したアクセス数になるくらいだと思われる。それが確認された段階で、(データの継続性は失われ、一時的なアクセス減は生じるものの)専有サーバーへの移行を考えていた。これが負荷対応処理その2……
●「サーバーリソース1/3」
……だった。
2009年1月に入り、小手先のアクセス増加対策にも限界が見えてきたころ、いよいよということで第一段階の「負荷対応処理その1」に着手。マルチドメインのgarbagenews.comをgamenews.ne.jpから切り離し、同時期に新規で借り受けた共有サーバーに割り当て。新規サーバーの利用にはそれなりに料金がかかるが、元々マルチドメインの維持にもそれなりの費用が発生していたから、費用増加は最小限に抑えられた。これが下の図の「実際の流れ」における、黄色い四角で囲った「(1)」の部分。
JGNNの各ドメインと、Garbagenews.comの負荷対応処理(実際の流れ)
ところが、gamenews.ne.jpからgarbagenews.comを切り離した直後以降、gamenews.ne.jpが急激な「重たさ」に襲われた。具体的には2009年の2月3日以降。例の某国検索エンジン百度のクローラーアタックでもなければ、CGIの不具合も見当たらず、F社の管理サイトを確認しても不具合やメンテナンス情報は見当たらない。至急メールで問い合わせたところ、帰って来た答えは
とのこと。要はアクセスが多分に過ぎるので他の利用者に迷惑をかけるから、サーバーを利用できる能力(容量や機能ではなく、CPUのパワーなど)の上限を物理的に1/3に削ったことになる。例えば今まで1時間で2000ページビューくらいまでは表示できるはずだったのが、今後は670ページビューくらいまで。それ以降はサーバーが受け付けなくなったり、処理の順番待ちでタイムアウトエラーが出たり、非常に遅い処理をする、というわけだ(発覚当初に説明した「今まで電車3両でお客を運べていたのが、1両に減らされた」という表現の方がわかりやすいかも)。
そもそもアクセス負荷を減らすために新規サーバーの設置とマルチドメインの切り替えを行ったのに、その切り替え時のチェックでリソース制限をかけられるとは何たる理不尽なことか。こちらが行っている対策などを説明したが何の進展もなく、とりあえず負荷軽減が図れたことを確認してから、再度連絡をすることに。これが黄色い四角で囲った「(2)」の前半。
それから数日かけて画像データの移送と、gamenews.ne.jp内の大部分の画像表示タグをgarbagenews.comから読み込むように切り替え、運営を開始。毎日サーバーログを確認したが、最大でもっともアクセスがあった時の1/3、平均で1/2-2/5くらいまでにサーバーログそのものが減少したことを確認できた(リソース制限によるところも大きかったが)。
そこで2月9日から10日にかけて再度F社に連絡をいれ、リソースを少しでも戻してほしいと頼み込んだものの拒絶。「状況を見て少しずつ改善」どころか「永遠に1/3から増やすことは無い」と断じられてしまう。その上、今後さらに減らす可能性もあるとまで言われてしまった。ここで正直、心が折れた。『マクロスF VOCAL COLLECTION「娘たま♀」』に収録されている「ダイアモンド クレバス」の詩「希望のない 奇跡を待って どうなるの」が頭の中でリフレインされ、固形物がのどを通らなくなった(もっとも、相手側の「負荷」に関する説明にこちらが矢継ぎ早に対応策を打って成果を挙げていることを説明しても、コロコロと理由を変えて、最後には「とにかく負荷が」とまとめるあたり、何となく「本当の事情」が見え隠れしているようにも見えたが、それは推測に過ぎないし、また別の話)。これが黄色い四角で囲った「(2)」の後半。
●移転先は「アクセス負荷の心配が要らないところ」
話は多少前後するが。
最悪の事態を予見して(実際それは現実のものとなってしまったが)、リソースを1/3に減らされた翌日には数社にサーバー・ブログの仕様などについて問い合わせ。新しくサーバーを別会社に借りてMovableTypeを組み込んでもいいが、またリソース云々で文句を言われるのは正直勘弁してほしかったので、「機能の制限はあるが、アクセスでリソース云々を言われにくいブログのシステム」「多数のアクセスでも平気な実績のあるところ」「コストパフォーマンスの高いところ」を前提に、いくつかアプローチをかけてみた。
その中でもスピーディーで誠実な対応をしてくれたのが、先の「Garbagenews.comはライブドアBlogに移転しました」でも挙げたライブドアブログ。アキバBlogなどでの実績もあるし、コストパフォーマンスも高い。疑問も回答でほぼ解けたので、翌日には申込みを行った。
この時に、「せっかくだから新規ドメインを取得し、それを使ってブログを立ち上げよう」ということで取得したのがgarbagenews.net。つまり今のサイトのドメインだ。はじめからライブドアブログで立ち上げることが分かっているのなら、「garbagenews.comをライブドアブログに割り当て」「画像データのサーバー(データセンター)にはgarbagenews.netを」ということも出来たのだが、順番としては逆になってしまったため、それもかなわぬ夢になった次第である。これが黄色い四角で囲った「(3)」の部分。
ちなみに選択肢としては、F社が当初薦めていたようにgamenews.ne.jpを専有サーバーに切り替えるという手もあった。しかし現時点では費用的な負担への手当てがままならないし、現在でも「突然1/3にリソース削減、しかもこちらから問い合わせをしなければ何の通達もなし」という姿勢を見せている以上、また似たようなことを(専有サーバーでも)されたら、という懸念が頭から離れなかったため、これは早期に却下となった。
●そして現在の体制に
このようなプロセスを経て、現在の体制、すなわち、
【garbagenews.com】 …… データセンター(画像データ置き場)
garbagenews.net …… 新Garbagenews.com(新規更新)
jgnn.com…… 「Garbage-」以外の中小サイト
があるわけだ。
「gamenews.ne.jpのログを全部garbagenews.netに移送しちゃってもいいのでは?」という意見もある。物理的には可能だが、1万を超えるログを移送するには物理的に1日以上はかかるし、エラーが出ないとも限らない。それに、今gamenews.ne.jp上に置かれている記事のURLと移送後の記事では当然URLが異なるので、リンクを貼っているサイトには多大な迷惑をかけることになるので、この案は却下。
「gamenews.ne.jpのも残して、移転先にコピーをすれば?」という意見も、同じ内容のものを別ドメインで動かすとスパム同等の行為になりかねないので、却下。gamenews.ne.jpは今後、図書館的な過去ログ置き場として活躍してもらうことになる。もちろんその下層にある、Garbage-シリーズの中小サイトはこれまで通り更新するのでご安心を。
●移行で頭を痛めている事柄
一方、新規立ち上げとなった新ドメインgarbagenews.netでは、やはり機能の制限から一部サイト案内などを簡略化せざるを得なくなったが、スイスイと更新できるのは嬉しいお話。ただし、新規ドメインのためGoogleのページランクはゼロ。第三者や検索エンジンなどからは「新兵」扱いされてしまう。また、ドメイン下における記事・時間経過の蓄積がないので、検索エンジン経由の読者が皆無に等しく、アクセス数が絶望的なまでに縮小してしまったのが頭の痛いところ。
3年あまりかけて勝ち得たgamenews.ne.jp上の積み重ねを、打ち止めされてしまったことによる損失は、正直多大なものといわざるを得ない。手探りで進んできた過去と比べれば、ある程度の技術の積算もあるし、旧サーバーのgamenews.ne.jpからのお客の誘導もある。しかし、2月前後の移転のどたばた、移転そのものだけでなく、12月あたりから断続的に行われていた(特に今年1月から2月にかけての)リソース制限による閲覧がしにくい状態によって、離れていってしまった読者の信頼を回復するにはどれくらいかかるのだろうか。2008年後半における絶頂期の規模にまで(新旧サーバーあわせた数字で)回復するには、どれだけかかるか見当もつかない。
唯一救われるのは、新しいサーバー上では「サーバーリソース」(≒アクセスしづらくなること)という外部的要因で、読者離れを引き起こすリスクが無くなったことだ。現行の体制なら、それこそ100万ページビュー/月はおろか、最終目的のひとつである200万ページビュー/月でも耐えられるはずである(それどころかアキバBlogさんのデータを見る限り、1000万単位のアクセスでも大丈夫そうだ)。
以上が、Garbagenews.comとそれを取り巻く、というよりJGNN関連のドメインに関するこれまでのいきさつ、とりわけ2008年12月以降・2009年2月にピークを迎えたアクセスがしにくい状態に関する状況説明。もちろん実際には公開できないものもあるが、大体これで状況は理解できるはず。
読者の皆様には職場の同僚、知人お誘いの上、今までにも増してのご愛顧を受け賜わりますよう、よろしくお願い申し上げます。
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