【更新】e-tax 使わぬ理由を尋ねたら 「面倒だから」と「ICカードの費用が問題」

2009/02/21 08:40

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確定申告イメージ楽天リサーチは2009年2月20日、確定申告に関するインターネット調査の結果を発表した。それによると、「e-tax(国税電子申告・納税システム)」を利用しない理由でもっとも多かった回答は「利用するまでの事前の手続きが面倒だから」で3割に達していた。何かと便利なことが多いe-taxのシステムだが、「はじめの一歩」のハードルがあまりにも高すぎる点に問題があるようだ(『発表リリース』)。



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今調査は2009年1月21日から22日までの間、インターネット経由で21歳から69歳までの男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1、年齢階層比は10歳毎に等分割当。なおインターネット経由で行われた調査のため、ネット関連の項目においては世間一般の意識と比べ、やや高めになっている可能性があることを考慮する必要がある。

毎年この時期になると「確定申告」の言葉が世に飛び交い、多くの人が書類とにらめっこをしたり税務署のお世話になる。今年は2月16日から3月16日までが所得税の確定申告の相談・申込書受付の時期で、基本的にこの期間内に関連書類を提示、送信しなければならない。サラリーマンなどのように源泉徴収をはじめ企業側で処理してくれるので「基本的に」申告をしなくてもよい人も多いが、自営業の人はもちろん申告が必要。サラリーマンでも医療費などの問題から、自分であらためて申告をした方が何かとお得な人も、実は少なくない。

また、2004年からは「国税電子申告・納税システム(イータックス)が導入され、諸般の手続きを済ませれば自宅から国税周りの申告をすることができるようになった。さらに2007年・2008年に限り所定の手続きをすることで、一部補助金も交付される制度が導入されているが、知名度はともかく利用者はさほど多くはない。実際、e-taxを利用した人は(今調査では)全体の7.5%しかいない。

それではなぜe-taxを利用しないのか。e-tax自身を知らない人はもちろん使えない。そしてe-taxを知っていても使わない人には、それなりの理由があるはず。その理由について尋ねたところ、もっとも多かった回答は「利用するまでの事前の手続きが面倒だから」という回答がもっとも多く、30.3%に達していた。

e-taxを利用しない理由
e-taxを利用しない理由

実際、e-taxを利用するにはインターネットが使用できるパソコンが必要なのはもちろん、公的個人承認を受けた電子署名(住民基本台帳カードなど)が必要など各種手続きと、さらにカードを読み書きするためのカードリーダー・ライターをはじめ、多種多様な前準備。確定申告に慣れていない人や、パソコンに詳しくない人が行うにはハードルが高い作業に他ならない。確定申告用のデータが揃っていれば、家計簿ソフトのように「数字を入力するだけで簡単便利に申告オッケー」というわけにはいかないのだ。

次いで同意票が多かったのは「ICカードリーダー・ライター」の入手に費用がかかる。「費用がかかる」と答えているということは、すでに該当するリーダー・ライターが何かを知っていることになる。費用がかかるのは事実だが、[さらに便利で使いやすく!(国税庁)]にもあるように2007年分・2008年分のいずれかの申告においては、(所定の手続きが必要で1回限りだが)5000円の電子証明書等特別控除が受けられる制度が設けられている。つまりこの5000円は、ICカードリーダー・ライターへの補助と考えてよいわけだ。今年までだが、この制度のことを知っていれば「費用がかかる」という意見の人もe-taxを遠慮する理由が無くなることになる。

第三位は「電子証明書の取得に費用がかかる」。これは確かに一定額の費用がかかることは否めない([電子証明書とは(国税庁)])。電子証明書は有効期限が短く(=ランニングコストが高くつく)、余計に費用には敏感になるのだろう。とはいえ、その費用はせいぜい千円程度(上記リンクだと500円程度・3年有効)。自宅でそのまま申告できるメリットとつきあわせて考える額かどうかは個人個人のレベルの問題というところか。

e-taxに対する啓蒙不足が
利用されない最大の原因か
以後、さまざまな回答がそれなりの得票を得ているが、例えば「ICカードリーダ・ライターの入手に手間がかかる・入手方法が分からない」はアマゾンや楽天市場のようなネット通販を使えば誰にでもすぐに購入できるし、「電子証明書の取得に手間がかかる・取得方法が分からない」も上記の国税庁の専用サイトをはじめ、数多くのサイトで事細かな事例と共に解説が行われている。

これらの選択肢への回答を見るに、「パソコンやネット上のセキュリティ全体の問題」はともかくとして、e-taxそのものへの啓蒙が不十分な感が強い。それこそアニメや人形劇などを用いて、子どもでも分かるようなかみ砕き方でe-taxを導入するまで、そして導入後の具体的な利用方法について解説するようなコンテンツを、国税庁などの関連省庁が提供することが求められている、のかもしれない。


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