『タイタニック』を臨場感120%で観る方法
2009/02/20 05:17
古今東西を問わず、名画と呼ばれる作品にはついつい感情移入してしまうもの。自分がまるでその作品の登場人物であるかのような錯覚に陥り、周囲の情景もその映画の世界であるかのように見えてしまう。目の前のスクリーンで展開される「演劇」が、自分の身の回りの世界の出来事で、自分自身もその一部であると想えてしまうのだ。その「映画の世界観と一体化する」感情移入をダイレクトに「演出」し、感情移入・臨場感を120%に高めようという試みがイギリスのロンドンで行われた、と【Daily Mail】が伝えている。
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『タイタニック』をタイタニック的なプールの中で観る観客
対象となる映画は『タイタニック』。1912年に事故で沈没してしまった豪華客船タイタニック号にまつわるラブストーリーで、数々のアカデミー賞を勝ち取り世界中で配信されたあの作品だ。画像を見ればお分かりの通り、観客は映画の時代当時の服装に着替え、一部は救命道具さえ身にまとい、そしてドライアイスとイミテーションの氷山が敷き詰められたプールに浮かべられた救命ボートの上から、スクリーンに映し出された『タイタニック』を鑑賞している。「前半部分の派手なシーンでの感情移入はどうなるんだ」という野暮なツッコミはさておき、後半以降のタイタニック号が沈没しはじめ、お客たちが救命ボートを求め走り回り、必至の行動を起こしている有様を、「まさにその場にいるお客の一人」のような立ち位置から、映画を鑑賞できるというわけだ。
プールサイドには普通の観客席も。このようにしてみるとやはり、いや何でもない
これはイギリスのロンドンにあるGolden Laneレジャーセンターの水泳用プールで行われたイベント。【Sky+HD】という高画質提供チャンネルで、かの名画『タイタニック』が配信されるのにあわせてアピールのために行われたとのこと。Sky+HDのトップであるRichard Jakeman氏いわく、「こんな素晴らしいセットで『タイタニック』を観られるなんて前代未聞だ。ただでさえHDの素晴らしい画像で提供されるのだから、観客は皆『タイタニック』の世界に一心同体となるに違いない(※意訳)」とコメントしている。
観ている本人たちはドキドキものだったかもしれないが、端から見れば少なからぬ間抜けさを感じる人も多いようで、元記事の評論も賛否両論。「素晴らしい」「自分でもやってみたい」という意見もあれば「マヌケだ」、さらには「落ち着いて映画を観られないじゃないのかな?」「バカだね、病気じゃないの?」というさめた意見まである。享楽的な気がしないでもないが、これもまた、愉しみ方の一つには違いあるまい。
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