イギリスでも巣ごもり現象、ドミノ・ピザが大繁盛に

2009/02/20 05:40

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ドミノ・ピザイメージ「外出しても無駄にお金を使うだけだし、花粉症も怖いし、できるだけ家に閉じこもっていた方がいいや」とばかりに外出を極力ひかえ、買い物などもネット通販などで済ませてしまう社会現象を「巣ごもり」と呼ぶらしい。外食も手控えて、この現象が伝えられるに、通販サイトの[楽天(4755)]の株価が大きく変動したのはよく知られた話。そして似たような社会現象が、ヨーロッパの中では断トツで不景気が浸透しつつあるイギリスでも起きているという話が【DailyMail】で伝えられた。いわく、「金融危機で多くの人たちが自宅に閉じこもったおかけで、ドミノ・ピザの四半期における売上・利益は急上昇した」というものである。



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記事の内容をざっと紹介すると、イギリスでは金融危機・不動産不況でおサイフ事情が厳しさを増した家族たちが、レストランで外食するのを取りやめ、デリバリーのピザで我慢する傾向が見え始めているという。その現象の恩恵を受け、デリバリーピザ大手のドミノ・ピザは四半期決算で大きな躍進を見せたとのこと。

ドミノ・ピザ側でも需要の急増に対応するべく、2008年は1週間あたり1店舗の新規店舗展開を行い、今年はさらに50もの店舗を開店する予定。これらの拡大計画によって、イギリスとアイルランドであわせて1500人もの雇用が創出されるという。

景気後退時には廉価な食品、特にファストフードが人気を集めるというのは良く知られた話で、イギリスではマクドナルドも同様に大きく利益をかさ上げしている。興味深いのは今回の「業績急進」を見た上でのドミノ・ピザ関係者の分析コメントで、いわく

「みんなは外食をあきらめ(trade down)て安価なものを選択したがっているのだけれど、同時に『ぜいたくそのものをあきらめたくはない』。だからうちのような安いぜいたく品を選ぶのさ」

というものだ。ドミノ・ピザでは2009年が始まってから6週間において、前年同期比計算で15%もの売り上げ増を果たしたという。また、新規顧客も多数獲得できたとのこと。

ドミノ・ピザイメージしかしドミノ・ピザ側では油断していない。経営陣はこの躍進ぶりに警告を発し、慎重な態度を取るようにうながしている。いわく「業務成績が伸びるのは大いに結構だが、社会全体としては、現状はこれまでとは比べ物にならないような厳しい経済環境におかれている。そのことを忘れてはならない」。ただし同時に「今年もうちは引き続き売上を伸ばし、好成績をあげられるだろう」と自信のほども語っている。いわく、現在イギリス・アイルランドで553店舗のフランチャイズ店を持つ同社は、今後10年間で1000店の展開を目指しており、その計画は順調に進行中だという。

また、同記事ではオンライン販売が73.7%もの急激な伸びを示していることや、ドミノ・ピザ以外にもケンタッキー・フライド・チキンやサンドイッチチェーン店のサブウェアも同様の効用を受け、業績が順調であることを紹介している。

このような「安めのファストフードが引く手あまた」な状況について、イギリスのケンタッキー・フライド・チキンのCEO、Martin Shuker氏が分析した言葉をここに引用しておこう。

「私たちの力強い成長戦略は、まさにお客様の要望によるものです。お客様はこのような景気の中でも明確に、『よい品質』で『お値打ち価格』な食品を求めています。そしてそれこそが、私たちが提供している商品なのです」
(Our growth strategy demonstrates the strong demand from out customers; consumers clearly still want great quality food but at reasonable prices and that is exactly what we provide.)

ドミノ・ピザといえば【ファストフードは「ネットフード」に!? ドミノ・ピザで注文の4割がネット経由へ】にもあるように、日本でも先進的なインターネットを活用したファストフード店として知られている。昨今の状況を受けて、イギリス同様に、さらにお客のハートをつかんでいるのかもしれない。



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