天候不良で客足遠のくも販売施策の奏功で弁当や玩具が好調…2026年6月度のコンビニ売上高は既存店が0.1%のマイナス、16か月ぶり

2026/07/21 14:00

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日本フランチャイズチェーン協会は2026年7月21日に、コンビニエンスストアの2026年6月度分統計調査月報を、同協会公式サイト上で公開した。その内容によると協会加盟コンビニの同月度の売上高は既存店前年同月比でマイナス0.1%となり、16か月ぶりのマイナスを示すこととなった。梅雨前線や台風の到来で天候不良の日が続き来店客数にマイナスの影響が生じたが、販売施策により弁当や揚げ物、デザート、玩具が好調に推移。売上高既存店前年同月比のマイナス度合いを最小限にとどめることができた(【日本フランチャイズチェーン協会公式ページ】)。

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今調査の概要、調査対象企業などの詳細、分析記事のバックナンバーは、過去の記事をまとめたページ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で解説済み。詳しくはそちらを参照のこと。

主要項目における前年同月比は次の通りとなる。

●店舗売上高:全店は16か月連続のプラス、既存店は16か月ぶりのマイナス
全店ベース……+0.3%
既存店ベース…−0.1%

●店舗数(前年同月比)
+0.5%

●来店客数:全店は2か月ぶりのマイナス、既存店は12か月連続のマイナス
全店ベース……−2.8%
既存店ベース…−3.4%

●平均客単価(税別):全店は18か月連続のプラス、既存店も18か月連続のプラス
全店ベース……+3.2%(752.5円)
既存店ベース…+3.4%(759.3円)

●商品構成別売上前年同月比(既存店ベース)
日配食品……+0.3%
加工食品……−5.0%
非食品………+2.1%
サービス……+11.6%
合計…………−0.1%

※既存店……1年以上営業中の店舗を指す(店舗増加による底上げでの数字上の誤差を防げる)

今回月は新型コロナウイルス感染症の流行による外出忌避や在宅勤務傾向は以前と比べれば弱まり、意識しない人も多くいる状態ではあるものの、継続している。梅雨前線の活性化や台風の上陸などで天候不良の日が続き、来店客数は減少。しかし販促施策がけん引し、弁当、揚げ物、デザート、玩具が良く売れ、客単価を底上げ。売上高既存店前年同月比のマイナス幅を最小限にとどめることとなった。

商品構成別では加工食品がマイナス。サービスのプラス幅が11.6%ポイントで最大。

ここ数年来懸念されていた雑誌の売上の減退、集客力の縮小は継続中で、歩みを止めるようには見えない。もっとも最近では下落ぶりは小休止、あるいは底打ちの状況にあるようで、報告書の言及に雑誌の売上が著しく落ちたなどの文言は今回月も含め、ここしばらくは見られなくなっている。雑誌の売上の影響力そのものが、コンビニにおいては考慮に値しないほどの値にとどまっているのが実情かもしれない。

セブンカフェ&ドーナツ数年前まではコンビニの集客と客単価の主軸であった雑誌とたばこ。これらは時代の流れの中で、その勢いを確実に減じている。双方とも業界全体、商品そのものの特性や周辺環境の変化に伴う勢力の変化であり、今後復権の可能性も低い。

たばこと雑誌それぞれ単独の動向を知りたいところだが、日本フランチャイズチェーン協会の月次レポートではそれを推し量ることはできない。他方、年次ベースなら、紙巻たばこは大手コンビニが発表しているアニュアルレポート、雑誌ならば「出版物販売額の実態」を通して概況を推測することはできる(【コンビニの出版物販売額(全体編)(最新)】)。

たばこは機会があるたびに税負担の上乗せが論議され、実施されており、それに伴いたばこ自身の価格も引き上げられている。健康志向による忌避圧力も勢いを増すばかりとなり、今後も縮小する方向性に変化はない。ただし加熱式たばこが現時点ではその減少分を補っており、たばこ全体としての今後の動向の見通しはつきにくい。

一方雑誌に関しては価値観の多様化や電子雑誌の進出、すき間時間の活用の仕方の変化を受け、やはり規模の縮小は避けられそうにないが、コンビニにおける同じ出版物として今件月次報告書では取り上げられることはまずなかった書籍に関して、一部チェーン店で新しい動きが生じていた。

セブン-イレブンの街の本屋さんプロジェクト詳しくは【コンビニの出版物販売額(前編:各社編)(2016年)(最新)】で説明しているが、スリーエフで書籍を中心としたミニ書店化形態が売上・集客の点で成果が出たことから、今後さらにそのスタイルの拡大が明言されていた。またローソンでも【ローソンの書籍棚設置店舗が4000店舗にまで拡大していた件】にある通り専用の書籍棚を設置する店舗が4000店を超えたと公式に発表され、それなりの成果を示していることが確認できる。

一時期は総撤退の気配すら見受けられたコンビニの雑誌群も、一部で戻し、再配置の気配もあり、コンビニ側も手探りの状態であることがうかがえる。駅の売店がコンビニ化(コンビニチェーンによる運営店舗の展開)するに伴い、鉄道利用者による雑誌へのアプローチの仕方も変化を遂げており、今後の動向に注目が集まっている。セブン-イレブンが継続的に「街の本屋さん」を自称し、ネット経由で書籍の調達をする受け皿を推進し続けているのも注目に値する。

一方で一部報道で伝えられた通り、出版取次大手の日販は2025年2月でコンビニ(ローソンとファミリーマート)への雑誌や書籍の配送を終了し、これに伴い同じく出版取次大手のトーハンが引き継いでいる(【コンビニエンスストア配送に関する報道につきまして】)。その引き継ぎ内容に関して、ローソンとファミリーマートの計3万店舗のうち2万店舗のみの引継ぎとなり、1万店ほどの手当てについては明らかにされていない。すでにコンビニの売上における出版物の売上比率は1%を割っているが(2023年度時点で0.7%。それ以降の値は非開示化)、それでも少なからぬ影響が今後出てくるに違いない。

各種サービス(情報端末やカウンター経由)の提供や、カウンターで提供されるいれたてコーヒーをはじめとする新鮮味あふれる日配食品は順調に成長を続けているが、今なおあくなき探求は続けられている。昨今の報告書におけるコメントでも好調さに関する言及が常連化しているように、中食に関する需要はこの数年大きく増加しており、それが具体的な形で小売各方面に現れるようになっている。高齢化や少数世帯化による需要の増加、技術進歩などによる提供商品種類の多様化が相乗効果を示し、ポジティブな意味でのスパイラル現象を引き起こしている。時間や手間を簡略化し、より楽しい食生活を受給する対価としてコンビニやスーパーの食品を選択するという、新しいライフスタイルの浸透といえる。エンゲル係数の上昇は、この要因が大きい。

一方で昨今では24時間営業をはじめとしたコンビニのこれまでの基本方針・施策に疑問符が投げかけられるようになった。特に運用する従業員の労働負担の大きさや金銭的な負荷で問題視される事例が見受けられる。状況改善の施策の一例として挙げられている、営業時間の変化が生じれば、当然売上はその分減ることになる。またレジの自動化の話もあり、実証実験も積極的に進められている。売上には影響が生じるだろうか。

今回月は客単価が伸び、来店客数の減少をカバーしたため、売上高のマイナス度合いは最小限となった。最近はこのパターンが多くなっている。来月発表の2026年7月分では、気温は全国的に高く、特に日本海側と北海道・東北で高い。降水量は北海道と東北で多く、九州で特に少ない。客足はやや少なくなるが、冷え物が動くことだろう。実際には、どのような結果となるだろうか。


↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである



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